トランプ節も炸裂、目先のドルインデックスは買いにくくなるのか?

著者:平野朋之
投稿:2017/01/06 11:42

■雇用統計を通過したした後の「記者会見」がカギに


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■昨日は、米長期金利低下を背景に、ポジション調整が進み、116円の大台を割り込んだことで急落しました。
また、ADP雇用統計で市場予想を下回ったことも心理的に圧迫しました。やはり、前日のFOMC議事録要旨でドル高に対するリスクを懸念していたことも、これまで上昇に対するポジション調整を加速させました。

さて、今夜は月一イベントである米雇用統計です。
過去3ヶ月の変動を見る限り、それほど大きな変動になっていません。やはりトランプ政権がどのような形でスタートするかに注目しているからだと思います。


■雇用統計のポイントは次の二点とみています。
まず、非農業部門雇用者数が予想値に対してのギャップです。特に下回ったときには敏感に反応してくると思われるので注意したいです。
次に、平均時給です。こちらも足元のインフレを探るには重要な指標になります。特に今年は複数回の利上げ見通しを予定しているだけに、結果次第ではブレーキがかかるので注意したいです。

そして、チャートです。

昨日もここでお伝えしましたが短期ダブルトップが昨日の下落で完成しました。週足未だ上昇継続、しかし目先は下目線でトレードを考えています。
やはり短期でこれだけの急上昇したドル円なので、調整幅もそれなりにあってもおかしくありません。
これまでのトランプラリーも予想外のことが起きているので、調整も予想外とイメージしておくのが望ましいとみています。


■既にドルインデックスでもその兆候は出始めています。
一昨日の実線部の「包み線(高値圏での陰線)」、昨日の上髭が長い陰線となっているので、買いづらくなり始めています。このままでいくと大台の100ポイントも視野に入りそうです・・

また、今朝のニュースをみれば、既にトランプ節が炸裂しています。
トヨタ自動車に対しての工場で生産するものに対しての高関税率をかけるという警告をしているようです。
このような記事をみると今後の保護主義色もより一層、強まる可能性も否めません。
むしろ通貨戦争・貿易戦争へと発展する恐れすら想像してしまいます。

その意味でも、今夜の雇用統計は通過した後、11日の記者会見が重要なポイントになりそうです。



■最後に、本日のドル円です。

ダブルトップを形成したことで、戻り売りを基本に、次のブレイクダウンも想定したエントリーを考えています。

戻り売りポイント(指値)
・ダブルトップに対するネックライン・・・116.05円

ブレイクダウンポイント(逆指値)
・12月1日高値・・・114.81円
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想