雇用統計を前に動きづらい中で、この水準で終わると「陰線包み足(高値圏)」で目先天井を示唆も

著者:平野朋之
投稿:2017/01/05 11:21

ドルインデックスの上昇も昨年12月15日の103ポイントから揉み合い

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■昨日は株高を横目にしながらドル高で推移していましたが、FOMC議事要旨の公表や雇用統計を控えて、持ち高調整の売りに押され一時、117円割れまで下落する場面もありました。その後は、議事要旨をきっかけに浮動したものの、結局は行って来いの展開となりました。


■FOMC議事録要旨の内容は、やはり今後の財政拡大や経済成長予測に対する上振れリスクが懸念されています。しかし、同時に利上げに関しても「緩やかな」ペースでの利上げの正当性にもふれているようです。

また、失業率に関しても現在を基準にピークアウトし、下振れに対するリスクが幾分高まっていると判断しています。その意味では、財政政策拡大とドル高で経済成長が相殺されるので、利上げペースを速める可能性はないとみています。


■本日は、明日の雇用統計を前に動きづらい一日になると予想しています。

ドル円のチャートをみると昨年12月15日高値(118.67円)と昨日高値(118.60円)でダブルトップを形成し、調整局面入りを示唆しているようにみえます。

ネックラインとしては昨年末30日安値(116.05円)になっているので、これを下回るようであれば大きな調整が進むとみています。


■また、これまでトランプラリーを象徴するドルインデックスの上昇も昨年12月15日の103ポイントから完全に揉み合いになっており、上値の重さが目立ち始めています。

更に昨日の長い上髭陰線に対して、本日(9時現在)で実線が包む格好になっており、このまま推移すれば「陰線包み足(高値圏)」で短期天井を形成する可能性も否めません。


■更にユーロドルでもその動きは出始めています。昨日14年ぶりの安値を更新したもののその後は、上昇し1.05ドル台で推移しています。
重要なラインとみているのが1.0550ドルです。
これを本日の引けで上回っているようであれば、短期的には底入れの可能性も出てくるのでこちらにも注目していただきたいです。


■最後に、本日のドル円です。

本日は、押し目買いというより、調整局面を考慮して、ブレイクダウン狙いで仕掛けたいと思います。

・116.05円(昨年12月30日安値)
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想