一部からは「ドル高牽制」発言も出てくるのでは?との噂も  トレードタイム

著者:平野朋之
投稿:2016/12/22 11:33

日足ベースではダイバージェンスが再出現

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■昨日は、クリスマス休暇を控えたポジション調整によるドル売りの流れの中、米経済指標が強めの結果だったことで、ドルを買い戻す動きも散見されました。
しかし、NYダウや原油価格が不調だったことで、上値は限定的で117円ミドルで終了しました。


■さて、イベントが終了して方向感のない展開が続きそうですが、来年に向け新トランプ大統領政権が着々と進んでいるようです。
話題として興味があるのはホワイトハウス内に「国家通商会議」を新設し、エコノミストで有名なナバロ氏を指名したようです。

やはりこの会議は、米製造業を活性化させるのが狙いのようです。

つまり製造業者の所得倍増を主軸にするのであれば、「輸出拡大、輸入減少」が必要不可欠であり、同時に貿易黒字も期待できるとの考えが浮かび上がります。その意味では、必要以上に「ドル高」に対しては牽制してくる可能性も否めません。

特に中国や日本は該当するようにも思えます。

また、ある外資系ディーラーからの話では、年末年始にも、この極度なドル高に対して牽制発言がでてくる可能性もあるのでは?と囁かれている様です・・。


■大統領選後は期待先行で相場は走りましたが、やはりトランプ政権の全貌が明らかになると、それなりに見えなかった壁が見えてくるので、相場的にもややスピードは落ちると見ています。

また、これまでドルロングのポジションが多くなっていることで、次のステージを見据える意味でも多少の「ガス抜き」が必要なのではないかとみています。


■そして、ドル円のテクニカルにおいても日足ベースで見れば、ダイバージェンス(逆行現象)がでています。
先月24日にRSI(相対力指数)84.91(113円ミドル)が直近の高値になっています。ついで今月15日にRSIが81.47(118円ミドル)と実際の価格はきりあがっているものの、RSIの高値はやや切り下がっているのです。

その意味ではこのあたりから調整が起きても不思議ではないとみています。


その際の調整ポイントとなるのが、フィボナッチの23.6%(114.50円)押しです。この目線を考えるとすれば、やはりキーポイントになるのがユーロドル上昇度合いだとみています。


■最後に、本日のドル円です。

やはり昨日同様に高値掴みをしたくないので、「押し目」を拾う展開をイメージしています。

4時間足のボリンジャーバンドを利用して、エントリーを考えています。

・-1σ(117.18円)
・-2σ(116.85円)
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想