押し目買い、戻り売りではなく、節目を突破した方向につく

著者:平野朋之
投稿:2016/12/16 11:22

■高値追いがしにくい展開での戦略とは?

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■昨日は、FOMCの追加利上げや来年以降の利上げ見通しがタカ派だったことを背景に金利上昇とドル高が進行し、また、米経済指標においても予想を上回る発表だったこともあり、118円ミドルを超えました。

さて、FOMCの結果によって、引き続き「大きな押し」がない展開が続いています。
現在は単純に日米の金利差拡大によって、上昇するというのは通常のセオリーで、ドルインデックスを見てもわかるように、明らかに独歩高の展開が続いています。

この影響は全てにおいて良いことだらけではなく、中国をはじめとした新興国経済の資金流失問題にもつながる恐れがあります。また、自国通貨を買い支えるために、介入原資を調達するために、米国債の売却する可能性が高く、その意味では債券利回りは上昇する可能性もあります。


■目先は120円を目指す動きがあるものの、慎重になることも必要

昨日の米経済指標の結果をみても、来年3回の利上げ観測がでたことは納得できるほど
米経済は強いという印象があります。

また、通貨への資金は結局、金利が高い通貨に流れるという事実もあります。

しかし、年末からトランプ氏就任までにおいて、史上最高値圏にいる米国株や高騰続ける原油価格が利上げを受けて弱含み始める可能性もあり、リスク資産の動向にも細心の注意を払いたいです。

特に、110円までの戻り局面では、過度な投機筋の買戻しで上昇しました。
しかし、その後は円ショートに大きく傾いており、オーバーシュートにも見えるので、短期間にこれだけの上昇したドル円だけに、調整もそれなりに起きる可能性もあるので頭の片隅に残したいです。


■また、1年ぶりの利上げを行った後の相場動向が気になるところです。昨年は、12月16日に利上げを決定して、その後2営業日上昇し、123円ミドルまでいきました。しかし、その後は今年初めにかけて115円台まで急落しています。

現状では、「押し目らしい下げ」が期待できない程の一方的な流れですが、昨年の状況と背景は違うものの、「高値掴み」には警戒を高めたいところです。

日々の売買戦略は、押し目買い、戻り売りではなく、節目を突破した方向につく方が
効果がありそうです。
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想