NYダウ、日経平均大台目前も「FOMC」は関門となるのか?

著者:平野朋之
投稿:2016/12/12 11:18

日足、週足共に陽線継続中


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■週末は、NYダウが史上最高値を更新し、シカゴ日経先物も19,000円を超えた状態で終了しました。
米経済指標の好調さに加え、米長期金利も高いことで、ドル高・株高の展開となり、日本の株式市場も円安や米株式市場の煽りもあって、イタリア国民投票によるイベントリスクを吸収し、更なる高値トライの展開となっています。


■こうなると、NYダウに関しては20,000ドル、日経平均株価も20,000円を視野に入れ始めたことは確かです。

しかし、そこに到達する前の関門としては「FOMC」があります。

既に追加利上げは織り込み済みで、来年に向けた追加利上げペースが最大の焦点となりそうです。

■もし、3回以上の見通しがイエレン議長のコメントからくみ取れるようであれば、ドル円は更に上昇、日経平均株価にとっては追い風となり、意外と早い段階で大台も視野に入れる可能性が高いです。
しかし、きっかけとなる材料がないようであれば、一旦調整局面に入る可能性が高いとみています。


これまでの株式・為替の上昇相場を振り返れば、トランプ新大統領誕生による来年以降の期待感がここまで相場を押し上げました。
しかし、来年就任以降、実際に減税や巨大なインフラ投資、そして規制緩和を行うと思いますが、個人的には利上げペースに関しては市場が期待するほどの年4回というペースにはいかないとみています。


■それは、現在の米経済は指標を見れば好調であることは言うまでもありません。来年以降、好調を持続できるのか‥と言われれば少々、疑問に感じます。それは、11月の雇用統計を見る限り、失業率は確かに良かったものの、非農業部門雇用者数や平均賃金を見る限りは、年4回の利上げに耐えられるレベルではないとみています。

むしろ、年2回レベルの利上げに関しては、今後の米景気の失速に備えて、利下げを行えるようにするための利上げだと考えています。

そして、何といってもトランプ大統領が米国第一主義と唱えるならば、現在のドル高は容認するはずもないこともあるので、その意味では通貨安政策にも注意を払いたいです。

既に、中国の過度な通貨安にも言及し始めています。


■一方、日銀の動向にも今後は注視したいです。これまでの円安や日経平均株価の上昇によって、来年はテーパリングに向かう可能性もあります。少なくても国債の買い入れ額を縮小させる可能性もあるので、ドル円にとっても大きく円安に振れる期待感は持たない方が賢明と考えています。



■最後に今週の見通しです。

週末の大陽線によって「買い優勢」で変化なしです。

一方週間足ベースでも、フィボナッチでの61.8%(115.50円)戻りも、ほぼ視野に入れた状況です。

あとは、水平線でみれば、今年1月18日安値115.96円、昨年8月24日安値116.46円がターゲットになるとみています。いずれにしても押しが入っても買い優勢です。

平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想