114円どころの値固め=外為どっとコム総研 神田卓也

著者:神田卓也
投稿:2016/12/09 09:29

114円どころの値固め

昨日のドル/円は、東京市場で113.10円台まで弱含んだが、欧州中銀(ECB)理事会後にドル高が進むと114.30円台へと切り返した。114円台後半の頭の重さなどから短期的な調整局面を見込んでいたが、調整は浅めかつ早めに終了した可能性がある。短期筋のポジションがドルロングに偏っていない事が、調整が長引かない最大の理由であろう。一時下向きとなっていた5日移動平均線も、昨日の切り返しによって再び上向きに転じている。

ただ、114円台後半の抵抗を突破して115円の大台に乗せるには、「燃料不足」の感は否めない。米経済指標は12月ミシガン大消費者信頼感指数・速報と10月卸売在庫が発表予定だがパンチ力は強くない。週末を控えたタイミングで、史上最高値圏にある米国株の大幅な続伸や、このところ上昇に一服感が出ている米長期金利の上昇再開は期待しにくいところだろう。ドル/円は114円どころでの値固め的な動きとなりそうだ。
神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長
配信元: 達人の予想