株高に対してドルの買い旺盛でなかったことの意味は?

著者:平野朋之
投稿:2016/12/08 11:28

■引き続き株価と為替の相関を確認する相場展開


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■昨日は、米長期金利が低下したことや原油価格が50ドルの大台割れを背景として、ドル売り優勢の展開となりました。しかし、NYダウが史上最高値を更新したことで、安値を拾う動きもみられ113円台ミドルはキープしました。


■さて、本日はECB理事会となりますが、資産購入プログラムに関しては予想通り半年間延長すると想定しています。

しかし、その資産購入の月額に対する金額がポイントになるのではないかと思っています。特に原油価格が上昇したこともあり、インフレ懸念は以前よりも格段に上がっているので注意はしたいところです。


■また、株式市場でもNYダウが史上最高値を更新し、いよいよ2万ドルの大台を視野にした動きとなっていることが目立ちます。
今後はトランプラリーを背景に底堅い動きが想定されますが、来年就任したのちの動きとこれまでの期待感とのギャップが、今後は焦点になりそうです。

また、昨日の株高に対して、ドルの買いが入っていなかったことは、今後の変化の兆候かもしれません・・・

このことは、株は株自体の材料で流れに遅れたくない買いが買いを呼び、ドル買いがついていっていなかったこと、そして「セリングクライマックス」の逆の動きを呼びこす可能性もあるのかと思ってしまう位の勢いで、やや怖いです。


■そして、今年最後のFOMCが来週に控えますが、追加利上げだけでは市場は既に折り込んでいるので、来年以降の追加利上げのペースに関して何らかの手がかりが出るようであれば、115円突破もあると見ています。
しかし、今までの流れを見る限りイエレン議長のスタンスはかなり慎重な面が目立つこともあるので、期待はしにくいのではないかみています。


■一方、コモディティ市場を確認すると、原油価格が昨日、大台の50ドル割れがあったこともやや気がかりです。
OPEC協調減産以後ペースを加速して上昇しました。
しかし、チャートを見れば2日前のコマ線、そして昨日の大陰線と悪い流れを見れば一旦は、調整国面に入る可能性もあるので、ドル円にとってはマイナス材料になる可能性もあるのでこちらも注意しておきたいです。


■最後に、本日のドル円です。

4時間足ベースのボリンジャーバンドでは、平行線になり
持合いを示唆しています。

基本的には、調整に入ると見ているので昨日の安値を中心にブレイクダウンのポイントを図りたいと考えています。

・昨日安値…113.40円

・5日安値…112.85円
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想