112円攻防も、値動きの荒い展開は続く
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■昨日は、米実質GDPの上方修正などを背景に、一時113円前半まで上昇、しかし、米長期金利が低下したことやOPEC会合を前に高値からは軟化しました。
■先週までの勢いを欠いたこの2日間でしたが、市場の注目は「OPEC総会」での減産合意の行方です。
やはりイランとイラクがこの減産合意に難色を示したことで、警戒感が漂っているようです。
特に、9月に暫定的な生産量の水準のレベルが下限なのか、それとも上限なのかによって市場参加者に与えるインパクトは違うとみています。その意味では、リスク回避の円買いもゼロではないとみています。
また、原油の週間足チャートを見れば先週は「トンカチ(陰線)」となっており、さらに昨日の4%超の下げで上髭状態になっています。
テクニカル面では、目先の短期天井をつけた可能性があり、その意味でも原油売りから株売り、そしてリスク回避の円買いも否定できません・・・。
もし、原油価格が下がれば予想インフレ率も低下し、これまで積極的に売られてきた米長期金利も一気に低下する可能性もあるので、リスク回避以外にも、これまでトランプラリーを先取りしたポジションも一旦、解消する可能性もあると見ています。
■また、4日に行われるイタリアでの国民投票もリスクイベントとしてあるだけに、楽観ムードは一旦収束するのではないかと想定しています。
■最後に、ドル円のポイントです。
これまで短期間にこれだけの上昇を演じてきたドル円だけに、ポジション調整もそれなりに価格として反映される可能性もありそうです。
そのブレイクダウンのポイントとしては、やはり、11月28日安値の111.35円だとみています。これを下抜けるようであれば、一旦110円の大台割れを想定する必要もでてきそうです。