ユーロの買戻しからドル円は調整局面、強気局面も一服 トレードタイム

著者:平野朋之
投稿:2016/11/28 11:20

■今週はイベントが多い為、要注意の展開


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■先週末は、感謝祭翌日と週末の谷間になったこともあり、閑散商況の中、最近のドル円の強気も一服した印象です。
しかし、113円台はしっかりとキープしたことで今週への期待感を残して終了しています。


■今週はイベントが多いので材料次第では大きく相場が変動すると基本的には考えています。
特に30日のOPEC総会をはじめ、来月4日イタリアの国民投票がリスクイベントとしては注目です。これまで騰勢を強めてきたドル円相場も結果次第では、調整局面に入る可能性もあるので注意はしたいところです。


■また、ドル円チャートでは、今週の上昇ですでにフィボナッチの50.0%(112.44円)戻しを完了しており、次のターゲット61.8%(115.60円)となります・・・。

しかし、ここまで異常なまでのハイブリッシュなドル円相場を見れば、簡単なフィボナッチというモノサシで図るのは少々疑問にも感じます。

というのもドルの強さが気になっています。
選挙前はトランプ大統領になれば保護主義色が色濃くでることからドル安に向かうと想定する流れがありましたが、いつの間にかトランプノミクスと言われるようになり、期待感が先行したおかげで、円のロングポジションを損切りせざるを得なくなったのです。

ドルインデックスをみれば、2003年以来の高値水準になり、ドル独歩高で2017年がスタートし、新大統領にバトンタッチする格好になります。

製造業や産業を活性化させるためには、いずれこのドル高が邪魔になるはずです。更に、輸入関税を引き上げることで物価が急上昇し、消費マインドが一気に低下する恐れすらあるので、選挙中の公約がすべて実現するのかはやや疑問を感じます。


■注意点は・・・、

現在はトランプラリーになっていますが、期待の裏には常に「失望」があることを忘れてはいけないと思っています。相場格言には「噂で買って、事実で売る」というものがあります。年内は期待先行相場になるとみていますが、来年新トランプ大統領に裏側に潜むものは、まだ計り知れない何かがあるのでは‥、と思うとドル全面買いのアクセルを踏みたくないと考えています。


■最後に、本日のドル円です。

ドル円よりもユーロドルのチャートをみれば、弱すぎる展開から買い戻しが入る可能性があります。
戦略としては、「調整待ち」となり、ブレイクも想定した二段構えで考えています。

押し目待ち(指値買い)
111.35円(短期で回転を効かせた売買)

ブレイク(逆指値買い)
先週末高値…113.90円
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想