TPP離脱表明で保護主義が色濃く出る中での売買戦略

著者:平野朋之
投稿:2016/11/22 11:34

今週は感謝祭WEEKでレートが飛ぶ可能性も


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■昨日は、先週の流れを引き継ぎドル高優勢の展開で、一時今年5月30日以来約半年ぶりの高値となる111.36円まで上昇しました。
しかし、今朝方、福島県沖で大きな地震が発生し、更に津波警報も発令されたことをきっかに、リスク回避の円買いが入り110円台に下落しています。


■さて、本日は本国の地震や津波速報を横目にリスク回避が強まりやすい一日と予想しています。
また、これまでの上昇に対する利食い売りや感謝祭前の売りが出やすくなる可能性がありそうです。

そして、新トランプ大統領が公約通りTPP離脱を行うことを表明したことで、来年以降の米国における保護主義が色濃く出る可能性があります。
その意味では、新興国経済に対するダメージがこれまで以上に大きく、更に金利上昇からドルの先高観が台頭し、資金流出する恐れもあるので注意はしたいです。


■現状では、金利差を狙った買い優勢になっていますが、来年以降は様々なリスクは表面化してくるので、これまで以上にハードな相場展開を予想しています。
米国もトランプノミクスで株買いが優勢になっていますが、いつ米国内が二分するかもわからないので、中期的には油断はできない状況です。

そして、米証券会社の顧客向けレポートが発表されました。その中身をみると、年末の見通しが108円から115円に引き上げているようです。
しかし、過去の検証では良い成績に繋がったことが少ないとの見方も市場では出ていることも要注意というところです。


■チャート上は、週足も中期上昇を示していますが、高値掴みになる様な売買は避け、やはり押し目をしっかり待って買うスタンスをイメージしています。

最後に、ドル円の押目ポイントです。

・109.75円…11月16日高値
・108.53円…11月14日高値

平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想