トランプショック吸収も、200日線に到達&買われ過ぎ感が台頭 トレードタイム

著者:平野朋之
投稿:2016/11/11 11:19

トランプ新大統領の盲点とは?

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■昨日は、大統領選後の株高の流れを含め、リスク選好の流れを継続しました。また、トランプ新大統領における積極的な財政政策期待でインフレの高まりを背景に長期金利が上昇、ドル円は約3ヶ月半ぶりの106円後半の水準となりました。


■市場は完全にトランプショックを吸収し、トランプ期待からのリスク選好に入っています。
特に株式市場においてはNYダウが史上最高値をつけ、ムードが熱気に包まれています。大規模な経済政策、10年間で1兆ドルという天文学的数字を見せつけられれば、市場は強気に作用するのは必然のようにも思えます。


■ただ、期待先行が行き過ぎる裏側では失望もあるので注意したいです。

というのも、選挙前まではあれだけ過激な発言を連発していたにもかかわらず、勝利宣言と同時に人が変わったように思える挨拶には正直、驚きでした。
逆に考えれば大規模な経済政策や大幅な関税も果たして出来るのか疑問にも感じます。就任早々に、債務上限に関する問題が浮上するので期待通りの展開になるとは言い難いと思っています。

そして、リスク選好の裏側では、トランプ新大統領に対する辞任要求デモが行われており、大規模に発展する恐れもあり、ムードが一変する恐れもあるので、注意したいです。米大統領選の得票数がクリントン氏の方が多かったので、このデモはわからなくもないです。


■ドル円は日足をみると移動平均200日線に到達しています。

中期ポイントをみるうえで重要なラインですが、昨日は一呼吸おいているようです。
また、7月21日高値(107.48円)にも接近しているので、そろそろ抵抗感が出やすくなっていると思います。

その意味でも高値掴みではなく、「押目待ち」をしたいと考えています。

特に、本日は米市場ではベテランズデーや週末ということもあり、利食い売りが出やすい日だとみています。

下記は、ここ2日間の高安に対するフィボナッチを使って、押目ポイトを出しています。

・23.6%…105.58円
・38.2%…104.75円
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想