日足上の「窓埋め」も完了、「ねじれ」は解消で週足&日足(平均足)は「陽線」継続  トレードタイム

著者:平野朋之
投稿:2016/11/10 11:28

今後、ドル安を唱えるトランプ新大統領にとっては最大の関門も


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■昨日は、米最大のイベントである大統領選開票が行われ、結果トランプ氏が大統領となり、アジアタイムまではリスク回避の円買い優勢の展開でした。
しかし、ロンドン・ニューヨークタイムに入ると徐々に値を戻し、更にNY株価上昇が寄与したことで105円後半まで上昇しました。


■ドル円は「往って来い」以上の展開で、往復で10円以上の値動きとなり、予想をはるかに上回る展開になりました。

本記事でも大台割れを予想していただけに、正直ここまで戻すことは想定外でした・・。

トランプショックというイメージが大きく、フタを開ければ、就任演説を見てもお分かりのように、人が変わったかのような印象です。
やはり、彼は天才ビジネスマンであり、われわれ予想をする人たちは、皆営業されてしまったのではないかと思えてしまうほどです。

つまり、これはトランプショックではなく「トランプマジック」にかかってしまったという解釈が現段階では正しいのではないかと考えています。


■今朝のメディアの報道を見る限り、トランプ新大統領によせる期待感が大きく取り上げられていました。
少なくても現在のような「ねじれ」は解消しているので、意味合いはよくわかります。

しかし、期待の裏側にいつも潜んでいるのが失望であることを頭に入れなければなりません。


■新大統領が掲げる大胆な経済政策を行うのは、来年3月に期限となる、債務上限の修正もしくは撤廃を行わなければ、財政が足りないのは言うまでもありません。

しかし、債務上限を撤廃する状況になれば、債券相場は暴落、金利上昇、ドル上昇を招く恐れがあるので、ドル安を唱えるトランプ新大統領にとっては最大の関門になるとみています。

更に、FRBが年末までに追加利上げを行うことになれば、尚更がドル買い地合いの色が濃くなります。
ドル高によって多くの製造業が業績下方修正し、結果的には株安につながる可能性もみえてきます。

どちらにしても、来年の米国は鬼門の年になるとみています。


■ドル円のチャートをみれば、下ヒゲの長さに驚きを隠せない状況です。
この下ヒゲを見れば「強気」と判断するのが正攻法です。

日足上の「窓埋め」も完了で、もう100円は無いと言わんばかりのローソク足になっています。

■本日に関しては、フィボナッチを使って、押目待ちのスタンスで考えています。

「押目待ち」

フィボナッチ…昨日の値動きに対して
・23.6%…104.78円
・38.2%…104.07円
・50.0%…103.52円

というイメージでいます。

また、週足、日足のトレンドを確認してみると、平均足(改良)は、陽線継続中ですので、
目先は買われ過ぎ感がでていますが、押し目を待って拾う流れとなっています。
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想