米大統領選の材料は折込みつつあり、市場は早くもその後の「議会運営」に注目  トレードタイム

著者:平野朋之
投稿:2016/11/08 11:14

■ポジションは基本的にスクエア

■昨日は、FBIがクリントン氏の私的メール問題で訴追を行わない方針を報道したことで、これまでのリスク回避を想定したポジション解消の動きで、104円台ミドルまで押し上げられました。
また、世界的にも株式市場の買いが目立ちました。

■いよいよ大統領選当日となりました。
昨日はFBIが不起訴を決めたことで安心感につながり買い優勢となりました。大統領選前にこんな形でガス抜きが行われ、あたかもクリントン氏が当確のようにリスク選好となっていますが、その後の一方通行でのトレンド形成相場に発展するかは、別問題です。


■仮にクリントン氏が当確したとしても、同時に行われている米議会選挙の行方も気になります。
より多くの上院・下院ともに票を獲得しなければ、今後の議会運営に影響が出るだけに、簡単にリスク選好と判断するのは早すぎるとみています。

また、トランプ氏のスキャンダル問題だけクローズアップされ、肝心な政策運営に関する議論がなされなかったことも考慮すれば、翌年以降の米国経済動向も下り坂に向かう可能性があるとみています。


■この様なことからも大統領選結果を境に短期と中期に分けて、ポジションを再構築する必要があるとみています。

振り返れば、オバマ大統領が就任したときも、世界中で「Yes We Can」といった言葉が流行りました。この8年で株式と雇用はよくなったと言えます。
しかし、所得格差においては広がるばかり、むしろ治安悪化がクローズアップされ、更に銃規制を含め国民の安全が脅かされている始末です。

やはり、米国もしかり、世界中でこの一次産品価格や農業のあり方を見直さなければならなくなっています。つまり、国際商品相場の長期低迷が経済を狂わせている元凶なのではないかとみています。



■最後に、本日のドル円です。

大統領選前なので、ポジションは基本的にスクエアで考えています。

敢えて売買を行うとした場合は、1時間足を使って小刻みに利幅を小さめにして回転を効かせた売買で考えています。

ブレイクポイント(売り)
1時間足直近安値…104.24円

ブレイクポイント(買い)
直近高値…104.62円
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想