クリントン候補のメール問題は払拭されつつあるが、未だある不安要素は?

著者:平野朋之
投稿:2016/11/07 11:11

■中期的視野で大きな流れを確認


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■先週末は、注目された雇用統計の結果予想は下回ったものの、最低レベルの15万人は超えたことや予想を上回る平均時給の結果、年内利上げに対する正当化から一時ドル買いとなりました。しかし、大統領選の前ではポジション調整の動きが目立った週末でした・・。

■いよいよ大統領選目前となり、クリントン氏のFBI捜査によって、予想がつかない状況でしたが、ここにきてFBI長官がクリントン候補の私的メール問題は犯罪に当たらないとのことが明らかになりました。

しかし、依然として混迷、不透明の状況は続いています。

■特にクリントン氏勝利でリスク選好とか、トランプ氏勝利でリスク回避という記事が見受けられます。しかし、個人的には、どちらの候補がなったとしても「中期でのドル買いは続かない」とみています。

これらの要因は・・・

・保護主義
・規制強化
・選挙後の上院・下院の行方

これは、いずれの候補になったとしても世界経済を不透明にさせる材料だとみています。金融政策に関しては、これまでのイエレン議長を評価していないようにみえます。


■更に、金融市場においては、すでにどちらの候補が大統領になったとしても、ヘッジポジションを強める可能性があるとみています。それは、大統領選後に株式市場が大きな調整がはいるからだとみています。

つまり、(中期的には)再び「株安→リスク回避」といった形を想定しています。特に、前回の英国民投票を比較すれば、10~20%調整はあってもおかしくないとみています。その意味でもドル円の大台も視野に知れる必要はあります。

そして、OPECによる減産が不透明になりつつあること、英離脱は議会承認が必要になったことを含め、今までの材料を否定するようになりだしたことで、ヘッジせざるを得なくなったとみています。


■その意味では、「日本円・スイスフラン・ゴールド」がさらに買い増しされる可能性もありそうです。


■最後に本日のドル円です。

基本的に「売り優勢」とみています。
ブレイクポイントと戻りポイントをお伝えします。

戻り売り
・104.80円

ブレイク
・103.50円


■株式市場や原油市場が安くなることでも過敏に反応する可能性もあるので、いつも以上に他市場にも注目しておくことをお勧めします。
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想