「スキャンダルVS FBI」で市場は警戒モード、VIX指数も14%強の上昇下での展開は? トレードタイム

著者:平野朋之
投稿:2016/11/04 11:28

相場の均衡ポイントを把握する必要があるが・・・

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■昨日は、日本の祝日だったことで薄商いの中、アジアタイムで一時102円ミドルまで売られる場面もありました。
しかし、英国のEU離脱を巡る裁判で、通告には議会承認が必要との判決から一旦和らぎ、ドルを買い戻す場面となり103円台前半となりました。

やはり、米大統領選の行方からの警戒感でリスク回避が継続しているイメージに感じます。


■今夜は雇用統計となります。
既に予想値では17.5万人と前回よりも高い数値となっています。それ故に期待値は高いものの、来週の大統領選の前なのでいつもより反応は鈍くなるとみています。
むしろ、予想以下の場合の時だけ、リスク回避ムードを引きずり急落する恐れもあるので注意したいです。


■テクニカルでみれば、今年の抵抗線としていた移動平均75日線を突破しましたが、今はブレーキがかかっています。
昨日の安値ではこの平均線が下値抵抗となって戻したものの、不安定な状況が続いています。今夜の結果次第では、この75日線が引値ベースを下回るようであれば、再度100円トライも視野に入れる必要がありそうです。


■また、リスク回避を象徴するVIX指数(恐怖指数)も昨夜だけで14%強上昇し、22ポイント台に入っています。
これはブレクジット時以来の高値になり、今後の急変化には注意が必要と警鐘を鳴らしているように感じます。

更に、コモディティ市場もゴールドは、目先の戻り天井とされた1300ドルを簡単に突破し、買い方優勢となっています。
また、ETF残高に関しても今週だけで、7.1トン積み増していることを見てもドル売り優勢にみえます。


■最近のドル円トレンドは年内追加利上げ期待で一旦、過度なショートポジションも手仕舞いフラットな状況となり、105円まで上昇しました。
チャート的には軽くなりだしたイメージもあり、押し目を探る展開も一時的にはありましたが、大統領選等、大きな壁の前では、テクニカルでは測れない大きなブラックホールが潜んでいるようにもみえます。

特に先日のブレクジットの時もそうですが、事前予想では離脱は無いとされていました。しかし、フタを開ければ国民投票の怖さだけが露呈したイメージです。これは大統領選も同じです。あれだけクリントン氏が優勢だったものの、ここに来てFBI捜査とイメージダウンしたことは確かです。


■今回の選挙自体が「スキャンダルVS FBI」といった図式で投票日になるわけですが、米国民も今までにない選挙の難しさが問われるだけに、予想がつかないイメージです。
むしろ、選挙に行かない人すら出る可能性もありそうです。


■トレードのポイントは、目先のブレイクダウンするポイントを抑えるイメージです。

以下、ブレイクダウンのポイントです。

75日移動平均線…102.48円

フィボナッチ61.8%…102.13円

また、週足ベースの平均足(改良版)は、陽線継続ですが、「実体部」を下回っているため、今後、中期戻り売りトレンドに突入する可能性もでてきています(チャート画像参照)。


■この一年、結局の円高、ドル安トレンドで、ここから脱することが出来ない展開ですが、あるコメントでは、ここ一年ずっと「上昇」としかみていないものがあります。
相場は大きな流れとそれに沿った現在位置を確認することが大切です。
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想