安値を拾う動きもあるものの、200線超え失敗&原油50ドル割れには注意 トレードタイム

著者:平野朋之
投稿:2016/10/26 11:19

■前回200日線を超えた時の状況は?

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■昨日は、年内利上げ観測や直近高値(10月13日)を超えたことで一時、3か月ぶりの高値となる103.87円まで上昇しました。
しかし、長期金利低下や経済指標が不調だったこともあり、104円前半まで売られました。


■さて、ドル円は中期トレンドを把握する上で最も重要とされている移動平均200日線を越えてきました。
しかし、引値ベースではキープできず一旦、持ち越しとなっています。
ちなみに今年は、この200日線を超えたのは2月1日、たった一日だけでした。その後はご存じのとおり右肩下がりの相場展開となっています。

今後、多くの参加者が注目をするこの200日線を明確に超えるかがポイントになりそうです。

■話は少し変わり、昨年12月16日に米国は9年半ぶりに利上げを行いました。
当時ドル円は121円レベルで、その後3日間は上昇し、瞬間的に123円ミドルまでいきました。その後は116円まで急落し、3日天井となってしまいました。

ここまでのドル円の上昇要因は「米追加利上げと過度なリスクオフ後退」となっています。

確かに、追加利上げに対するトーンは日増しに高まっているものの、継続的な利上げ環境には程遠いのが現実です。FRBの政策スタンスはインフレ予防的な追加利上げよりも、世界経済に配慮してこれまで追加利上げを見送ってきたイメージです。

つまり、継続的な追加利上げが出来る世界経済にならなければ、本格的なリスクオンとはならないとみています。その意味では、200日移動平均線は重要なラインと捉えたいです。


■一方、ゴールドにおいても同様のことが言えます。
一旦、200日移動平均線を下回り売り優勢にみえました。しかし、その後はボトムを形成して再度、このラインを上回り今では、戻り優勢となっています。その意味では、ゴールドから見た場合、リスクオフが消滅したわけでもなく、未だ火種が残っているようにみえます。


■最後に、ドル円のポイントです。
日足チャートを見れば、「トンカチ」にもみえます。更に移動平均200日線も絡んでいることもあり、本日は、この200日線に対して再トライと言いたいところですが、引値ベースで昨日の上値を上回らなければ、一旦103円ミドルまで売り込まれる可能性もあるという認識を持つことも必要です。

上目線でのブレイクアウト狙いは気を付けたいところです。

原油価格も50ドル割れし、チャート的にはダブルトップ気味になっているので注意したいです。
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想