壁は意識されるが、調整以上のドル売りは想定しづらい…!?

著者:武市佳史
投稿:2016/10/26 10:28

◆上抜けも、105円には届かず… - 往って来い

抜けた…。

仕掛け的な動きからドル全面高の様相を見せると、ドル円は“10/13高値(104.627円)”を上回りました。
上放れを巡る攻防戦は「買い方の勝ち」といえます。

もっとも悪化した米経済指標が行く手を阻んだこともあり、105円の大台ラインに届くことはありませんでした。
次第に利益確定売りが優勢となる中、「次回政策判断はポンド安を考慮」というカーニーBOE総裁発言で“ポンド急反発⇒ドル売り”が発生したこともあり、ドル円は元居た104円前半への“往って来い”を演じました。

◆“もう一段の利益確定売り”も懸念されるが…?

長い上髭を伴った“寄り引け同時線(十字線)”を描いたことで、テクニカル的には“もう一段の利益確定売り”が懸念されるところです。
9/27安値から上昇はすでに5円弱に達しており、大台手前で跳ね返されたことで“反発一巡”との思惑が浮上してもおかしくないからです。

◆ただし、下には分厚いドル買いオーダーが待ち構える…!

しかし日足・一目均衡表転換線とも重なる“104円ラインのドル買いオーダー”は、かなり強力です。
仮に割り込んだとしても、“10/24安値(103.720円)~先行スパンの雲上限(同103.499円)”には、さらに輪をかけて分厚いドル買いオーダーも待ち構えています。

“105円の壁”は意識せざるを得ませんが、現時点の材料では“調整売り以上のドル売りは想定しづらい”…。
株式・原油、そして米国債利回りを睨みながらにはなりますが、「104円台での底堅い動き」を中心に添えながら、「反発への期待大」と見たいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:105.000(大台)
上値4:104.869(10/25高値)
上値3:104.693(ピボット1stレジスタンス)
上値2:104.544(10/25高値後の61.8%戻し)
上値1:104.443(10/25高値後の50%戻し)
前営業日終値:104.222
下値1:104.008(10/19~10/25の50%押し、日足・一目均衡表転換線、大台)
下値2:103.926(ピボット1stサポート)
下値3:103.804(10/19~10/25の61.8%押し)
下値4:103.720(10/24安値)
下値5:103.499(日足・一目均衡表先行スパン上限、10/21安値)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:30 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想