今後の「リスク回避の円高」になりうる材料が発生・・・

著者:平野朋之
投稿:2016/09/28 11:24

■本日はレンジ内での推移か?


------------------------------------------
■昨日は、米大統領候補によるテレビ討論会に注目が集まり、結果的にはヒラリー候補が優勢だったとの見方が広がりました。また、討論会でドル安に関するコメントが無かったこともあり一時、101円近辺まで上昇しました。
しかし、その後は利益確定売りに押されています・・・。

■本日も昨日同様に、レンジが狭い中で取引されると予想しています。
注目する材料としては、米耐久財受注になります。

■さて、最近の話題で気になるものについて書きたいと思います。

それは、二つの信用不安と原油価格の動向です。この話題は、今年のリスク回避同様の扱いをされる可能性があるので触れたいと思います。

■まず、ムーディーズがトルコのソブリン格付けをジャンク級に引き下げたことです。7月のクーデター未遂事件を受け、資本逆流のリスクで同国の国際収支バランスが急激に悪化しています。このことで準備金の急減を招くリスクや最悪は危機につながる可能性もあるので注意しておきたいところです。

■既に、チャート上ではトルコ円は6月24日に付けた最安値32.278円に迫る勢いです。

対ドルも同様に右肩上がりの上昇トレンドが終わりそうにありません。むしろ、米国が追加利上げを行えば、資本は逆流どころか危機が起きる可能性も視野に入れたいところです。


■続いて、ドイツ銀行の株安懸念からの信用不安です。住宅ローン担保証券の不正販売を巡って巨額の支払を命じられている話題です。既に政府の助力要請もしているようですが、その可能性も政府は否定しているようです。
支払金額140億ドルという巨額だけに、今後の爆弾材料になりやすく、ユーロ圏からの信用不安も否めません。


■最後は、原油価格です。今週開催予定の産油国の会合で生産抑制合意が期待されるところですが、イランがネックのようです。
また、テクニカルを見ても日足は三角持ち合いになっており、週間足では今月に入ってから4週連続上髭を残す下値暗示線になっていることが気がかりです。原油価格急落となれば、同時に株安そしてリスク回避の負の連鎖につながるので注意しておきたい材料です。


以上が気になる話題ですが、いずれにしても10月を前にこれだけ不安要素を抱えながらアノマリー月に入るので、いつも以上に警戒が必要であるのと同時に、リスク管理を行いたいところです。

■最後に、ドル円のエントリーポイントをお伝えしたいと思います。本日は4時間足を利用して利幅を狭めたカウンタートレードに徹したいと考えています。

売りエントリーポイント

・ボリンジャーバンドセンター…100.65円
・ボリンジャーバンド+1σ…100.93円

買いエントリーポイント

・ボリンジャーバンド-1σ…100.38円
・ボリンジャーバンド-2σ…100.10円
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想