半期末絡みのドル買いオーダーが厚い…!?

著者:武市佳史
投稿:2016/09/28 10:42

◆短期的テーマが“米大統領選⇒欧州金融不安”につれて、乱高下…

※ご注意:予想期間は9月29日と表示されていますが、本日(9月28日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


リスク回避への思惑から東京タイム序盤に100.073円へと下落したドル円でしたが、100.10-00円に積み上がる分厚いドル買いオーダーに跳ね返されました。
トランプ・リスクに備えた仕掛け的な動きだったと見られますが、クリントン優勢でテレビ討論会が進む中(あくまでも私見ですが…)、次第に巻き戻し圧力が優勢となりました。
100.50-60円のドル売りオーダーを行使すると、ストップロスを絡めつつ、101円手前へと反発幅を広げていきました。

しかし101円ラインに届かず、短期的なテーマが“米大統領選⇒欧州金融不安”へとシフトしていった印象があります。
根強い戻り売り圧力が再び頭をもたげる格好となり、逃避資金を集めた米10年国債の利回りが1.58%を下回るにつれて、再び100円前半へと下落していきました。
もっとも昨日発表された米消費者信頼感指数(104.1)は事前予想を大きく上回り、3営業日ぶりの反発となったNYダウにつれて米10年国債利回りが下げ渋りに転じると、ドル円の下値追い一服で昨日の取引を終えています。

◆“上値の重さ”が意識されやすい展開は続くが…?

リスク回避要因はいくつも存在していますので、その中でも欧州金融不安が再び燻ぶり始めています。
“手を変え、品を変え”の様相ではありますが、“上値の重さ”が意識されやすい展開はまだ続くと見るのが自然です。

ただオーダー状況を見ると、“100.20-00円”のドル買いオーダーは“昨日に輪をかけて”積み上がっている感があります。
スポット取引の半期末最終応当日ということもあり、国内輸入筋が積極的に積み上げている印象があるからです。
さらにリスク回避を囃す短期筋の円買いポジションも、昨日も記したように“すでに膨らんでいる”印象があります。

◆ただ現状のままでは役不足…!?

ドル戻り売りを囃す向きは確かに存在しますが、ある程度は織り込み始めた感があることを考えると、現状のままでは役不足。
リスク回避のさらなる深化が必要な反面、少しでも緩むようなことがあると昨日のように“巻き戻し”を誘発しかねない…。
「100円割れへの懸念(思惑?)」を無視するわけにはいきませんが、やはり「下方向一辺倒の戻り売り」には、眉に唾つけて対峙したいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:101.242(9/23高値)
上値4:101.088(9/26高値、9/21~9/27の38.2%戻し)
上値3:100.979(9/27高値、大台)
上値2:100.876(ピボット1stレジスタンス)
上値1:100.676(9/27高値後の61.8%戻し)
前営業日終値:100.372
下値1:100.186(9/27高値後の戻り安値)
下値2:100.058(8/26安値、9/27安値、大台、ピボット1stサポート)
下値3:99.862(8/19安値、8/23安値)
下値4:99.646(8/18安値)
下値5:99.518(8/16安値、ピボット2ndサポート)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:03 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想