■イエレン議長講演対する過度な期待には注意!失望売りも考慮する必要があり。

著者:平野朋之
投稿:2016/08/25 11:38

■原油下落でも、ドル売りに傾かないことは逆に今後が不安・・・


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■昨日は、特に注目する材料も無く、終日レンジの狭い取引で終了しました。やはり、明日に控えるジャクソンホールでのイエレン議長講演を前にポジションを傾ける動きは少なかった印象でした。
但し、利上げについて具体的な考えを示さない可能性もあるので、その時は無風で通過する
可能性もありますので、ポジションを傾け過ぎることは危険です。

本日は、やはりイベント前で昨日と同じようなレンジの狭い展開となると予想しています。その狭いレンジの中では4時間足を利用した利幅小さ目のカウンタートレードが有効と考えています。


■一方、コモディティ市場でも原油価格が、想定外の在庫急増によって急落しています。その影響を受けて株価も下落していますが、ドル円においては影響を受けていません。その意味では、いかに追加利上げに対する興味があるのかが伺えます。

■大きな流れを見るうえで、米国の出口戦略が上手く稼働できているのか‥、その他の先進諸国は未だ、緩和政策を継続する中では出口の見えないトンネルを彷徨っている感も否めないようです。つまり、「不透明」をキーワードにした逃避売りは再度、忘れたころに訪れるとみています。

これだけ複数のFRB高官がタカ派とみられる発言をしているにも関わらず、議長からのタカ派とみられるコメントが全く気配すら見えない状況です。
それだけ、世界経済の不安定さを考慮しているのか‥時間稼ぎをしているようにしか見えません。
むしろ、追加利上げに対する過度な期待を持たせれば、その反動による失望も大きいはずです。


■既に、市場参加者の過度な期待を裏切っている日銀はいい例です。
今年初めにマイナス金利を導入し、半年が経過しその効果やデータは採れているにもかかわらず、次の一手が打てていません。異次元緩和と強気な姿勢を見せるも、裏からは米国の圧力が掛かり、限界論だけが独り歩きし始め、市場の見方としては、打つ手が無くなった日銀と呼ばれるようになったのです。

介入も追加緩和の選択肢も失いつつある現在は、現状維持で静観するしかなく、ETFの増額をしたことによるリスクをまともに受けることになるので、その意味では、信用リスクからキャピタルフライトもあり得ます。

次の円安は債務超過と日銀信用リスクにおける円暴落なのです。これは、日本株価が下落するとき、つまり東京五輪後の反動が日本を直撃し、不況も視野に入れた景気対策を現段階で議論しなくてはいけないとみています。


■以下は、平均足(改良版)でみた、重要なポイントです。
これらの水準では売り買い交錯することが多いので重要です。

上値第一目標・・・101.10
上値第二目標・・・100.77


下値値第一目標・・・100.14
下値第二目標・・・99.63
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想