思った以上に上値余地が拡大するケースに注意…!?

著者:武市佳史
投稿:2016/07/25 10:41

◆上値が重い中、下値を切り上げる展開

※ご注意:予想期間は7月26日と表示されていますが、本日(7月25日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


前日の黒田日銀総裁発言(ヘリコプターマネーは不要)の影響は残り、ドル円は上値の重い動きを強いられました。
しかし20兆円規模の経済対策への思惑はそれ以上に強く、ジワリジワリと下値を切り上げていきました。
ロンドンフィキシングで再び106円台に乗せると、その後は106円を割り込むことはなく、先週末の取引を終えました。

◆“思惑的な円売り”が日銀会合まで持ち込まれやすい…?

“FOMC(27日)”“日銀金融政策決定会合(29日)”を控える中、今週は「様子見ムードが台頭しやすい」と見るのが一般的です。
しかし「現状維持」がほぼ100%の確率で織り込まれているFOMCと異なり、日銀会合は“経済対策とワンセット”との見方が少なくありません。
つまり「何がしかの追加緩和が打ち出される」との見方も少なくなく、発表までは「思惑的な円売りが持ち込まれやすい」と考えるのが自然ということになります。

◆200週移動平均線の再突破がポイント

「今年3度目の一目均衡表の雲上抜けトライに失敗した格好になる日足チャート」「一時突破したものの、結局は200週移動平均線(現在は106.851円)に押さえられた格好になる週足チャート」等、テクニカル的には決して芳しいとはいえません。
しかし前記した思惑を鑑みると、結果が判明する前の段階で「思った以上に上値余地が拡大するケース」には注意しておく必要がありそうです。

「日足・一目均衡表先行スパン下限(同106.469円)」そして「200週移動平均線(106.851円)」の突破がポイントと考えますが、「日足・一目均衡表先行スパン上限(同107.701円)」辺りまでは拡大して警戒しておくべきか…?

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:107.361(ピボットローブレイクアウト)
上値4:107.000(大台)
上値3:106.851(200週移動平均線、ピボット2ndレジスタンス)
上値2:106.748(7/21~7/22の61.8%戻し)
上値1:106.469(日足・一目均衡表先行スパン下限、7/22高値、ピボット1stレジスタンス)
前営業日終値:106.163
下値1:105.994(50日移動平均線、大台)
下値2:105.689(日足・一目均衡表転換線、ピボット1stサポート)
下値3:105.562(7/22安値)
下値4:105.419(7/21安値)
下値5:105.203(ピボット2ndサポート)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

10:54 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想