まだ道半ばだが、本日は“上値が重い”…!?

著者:武市佳史
投稿:2016/07/01 10:58

◆ポンド売り強まるも、リスク回避姿勢高まらず - 金利格差が焦点、ドル円103円台へ

※ご注意:予想期間は7月2日と表示されていますが、本日(7月1日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


昨日はカーニーBOE総裁が“追加緩和”を示唆したことで、NYタイムにポンド売りが進行しました。
また「ECBは債券の購入条件等の緩和を検討」とも報じられ、その後はユーロも売られる展開でした。

しかしパニック売りをもたらした先週末とは異なり、今回の下落は“金利格差”を背景にしたものになります。
このためポンド売りやユーロ売りはドル買い圧力として機能しており、リスク回避姿勢が台頭することはありませんでした。
株高の連鎖に伴って円の売り戻しも続いており、103円台にしっかりと乗せたドル円は、そのまま“24日安値後につけた戻り高値(103.237円)”をも上回りました。

◆一旦勢いがつけば“103円台を一気に駆け上る”可能性…?

こうなると昨日記した“24日以前のサポートライン(16日安値:103.531円)”“24日高値からの61.8%戻し(103.781円)”辺りが、一気に視野入りしてくることになります。
短期筋の円買いポジションはまだ残っていると見られる中、前記したライン付近には“防戦のドル売りオーダー”と背中合わせで“損失確定のストップロスオーダー”も観測されています。
米3連休(独立記念日)を控えて流動性も低下しやすいことを考えると、一旦勢いがつけば103円台を“一気に駆け上る”可能性も否定できないところです。

◆ただ現在は“あくまでも往き過ぎたリスク回避の巻き戻し”局面…

ただ今回の戻り局面は、あくまでも“往き過ぎたリスク回避の巻き戻し”であり、“リスク選好への転換”ではありません。
そうした中でBrexit絡みの下落幅を“まだ半分強”しか戻していない日経平均には“もう一段の戻り”も期待されますが、NYダウは“すでに9割近く”を戻しています。
Brexit絡みの急変が東京タイムの発生でしたので一概にはいえませんが、NYダウはそろそろ利益確定売りが入ってくると考えるのが自然です。
依然としてドル円には、“戻り売り”のイメージもついて回っています。

“ポジション調整中心”が売買の主体でしょうから、そう大きく崩れるとは考えていませんが、積極的な売買がより手控えられる状況でもあります。
下値で買った向きの利益確定売りまで鑑みると、本日に関しては“やや上値が重い”を想定すべきか。
もっとも中段に記した“一気に駆け上る”可能性は残っていますが…。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:104.514(ピボットローブレイクアウト)
上値4:104.000(大台)
上値3:103.905(ピボット2ndレジスタンス)
上値2:103.781(6/24高値~6/24安値の61.8%戻し)
上値1:103.531(6/16安値《24日急落以前のサポートライン》、ピボット1stレジスタンス)
前営業日終値:103.229
下値1:103.000(大台)
下値2:102.864(6/30安値後の50%押し)
下値3:102.742(6/30安値後の61.8%押し)
下値4:102.565(6/27~6/30の38.2%押し、ピボット1stサポート)
下値5:102.349(6/30安値、6/27~6/30の50%押し)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:22 ドル円 抵抗・支持ライン追加
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武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想