“不安定な様相”変らないが、“もう一段の水準調整”の可能性は十分…!?

著者:武市佳史
投稿:2016/06/29 10:47

◆Brexitを巡るリスク回避一巡 - 幅広い通貨に対して円売り戻し

※ご注意:予想期間は6月30日と表示されていますが、本日(6月29日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


英国のEU離脱(Brexit)を巡るリスク回避はようやく一巡し、混乱も一旦収束した印象があります。
このため円は幅広い通貨に対して売り戻しが入り、ドル円は102.80円水準へ押し戻されていきました。

◆“上値の重さ”は相変わらずだが…

もっとも今回の動きは“短期的な下落往き過ぎ”を調整する動きが主体と見られ、本格的な“底打ち⇒反発”を演じているわけではありません。
このため上値の重さは相変わらずであり、24日安値後につけた戻り高値(103.237円)はおろか、103円台にも乗せることは現時点で叶っておりません。

103円ライン手前にはまとまった規模のドル売りオーダーが散見されていますので、これをこなすのは容易ではありません。
このため103円台回復が視野入りするためには、もう一段の材料が必要と見られます。

◆ただ依然として円は“短期的な買われ過ぎ”を抱えている…!?

一方でBrexitを巡るリスク回避姿勢が一巡した感がある中、ドル円を含めた円には“短期的な買われ過ぎ(ドル円にとっては売られ過ぎ)”を依然として抱えています。
101.80円付近から下にびっしりと並んでいたの昨日はドル買いオーダーも、本日は102.30円付近まで切り上がってきています。

不安定な様相は変わっていませんので“もう少し揉みそう”な気配もありますが、「もう一段の水準調整(円売り戻し、ドル円にとっては買い戻し)の可能性は十分」と考えます。
昨日の上昇に対する調整売りも入ってくるでしょうが、少なくとも「“リスク回避⇒円買い”が進む状況ではない」と考えたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:103.781(6/24高値~6/24安値の61.8%戻し)
上値4:103.660(ピボット2ndレジスタンス)
上値3:103.237(6/24安値後の戻り高値、ピボット1stレジスタンス)
上値2:103.000(大台)
上値1:102.837(6/28高値、日足・一目均衡表転換線)
前営業日終値:102.757
下値1:102.282(6/27~6/28の38.2%押し)
下値2:102.110(6/27~6/28の50%押し)
下値3:101.938(6/27~6/28の61.8%押し、ピボット1stサポート)
下値4:101.726(6/27~6/28の76.4%押し)
下値5:101.562(6/28安値)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

10:55 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想