■目先は買い、但し上値が重い要因は? 金ETFの残高にも表れている

著者:平野朋之
投稿:2016/06/01 11:40

■ドルの上値が重たくなる要因とは?

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■昨日は、東京・ロンドンタイムでは堅調に推移していたものの、NYタイムに入り、シカゴ購買部協会景気指数やダラス連銀製造業活動指数が事前の市場予想値を大幅に下回ったことや、原油大幅下落でリスクオフの展開となり、111円の大台を割り込んで推移しています。

本日は、昨日同様に株式及び原油価格を横目にしながらの展開とみていますが、やはり今月の米利上げが焦点になっていることから、米景気指標には過敏に反応すると思われます。

今夜の米5月ISM製造業景況指数が注目され、この結果次第といったところとみています。

■最近、気になるのが金ETF保有残高の動きです。
金価格はここ最近ドル高の影響で下落傾向にありましたが、1オンス1200ドル割れを回避したことを好感して、大幅上昇しています。
この下げ過程の中でもETFの保有残高が増加傾向にあります。

4月に一時1300ドル越えになったものの、その後は100ドル近い下落になったわけですが、むしろディスカウントとみて保有残高を増やしています。金利の生まないゴールドがなぜ、買われるのか?

・米利上げがこの後停滞する恐れがあるからなのか
・英国の離脱問題でユーロ圏が混乱し、世界景気に陰りがみえるからなのか
・ユーロ圏及び日本の金融政策が超金融緩和策から抜け出せないからなのか

いずれにしても、このETFの残高が増え続ける限りは、本格的なドル高及びリスク選好になるとは到底、言い難いイメージを持っています。

■米国利上げは6月ないし7月には利上げを行うとみていますが、その後のFRBのスタンスはどうなのかに非常に興味をもっています。

■本日のテクニカルとしては、「押目買い」をベースに考えています。

・日足ベースのボリンジャーバンド+1σ(110.45円)
・平均足の抵抗帯(110.24円)
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想