地合いは“積極的な上値追いに不向き”も、ドルのセンチメントはさらに改善…!?

著者:武市佳史
投稿:2016/05/30 10:19

◆イエレンFRB議長発言で上放れ

※ご注意:予想期間は5月31日と表示されていますが、本日(5月30日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


討論会形式ということでそれほど期待はしていなかったイエレンFRB議長発言でしたが、これを機にドル円は上放れました。

 「今後数カ月の利上げはおそらく適切」

利上げに前向きなこの姿勢はドル全面高をもたらし、109円半ばに押さえこまれていたドル円を110円超に押し戻しました。
週足ベースで見た“今年初の3連騰”は“今年初の4連騰”へと延ばしており、ドルのセンチメントはさらに改善すると見られます。

◆“思惑の乖離”が修正される“インパクトは大きい”

また為替・株式市場は米早期利上げの可能性について“ある程度”織り込んできたものの、債券市場は“全く”といえるほど織り込めておりません。
この“思惑の乖離”が修正されかかっている“インパクトは大きく”、“高値警戒感/達成感”が台頭してもおかしくない水準ではあるものの、上値を追いやすくなりつつあります。

◆ただし、本日は積極的な上値追いには不向き…!?

本日は米(メモリアルデー)・英(バンクホリデー)が休場となりますので、東京タイムの動きが一服すると、様子見ムードが蔓延しやすいと考えられます。
積極的な上値追いには不向きな地合いといわざるを得ず、本日に関しては「110円台で堅調推移も、111円は重い」が基本と考えます。
それでも先週末の動きにて、「日足・一目均衡表先行スパンの雲上限(本日は111.251円)」「1/29~5/3の38.2%戻し(111.711円)」は“完全に視野入りした”と考えます。
押す場面があれば、引き続き買い拾いで対応したいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:111.251(日足・一目均衡表先行スパン上限)
上値4:111.049(ピボット2ndレジスタンス、大台)
上値3:110.682(ピボット1stレジスタンス)
上値2:110.582(5/20高値)
上値1:110.443(5/25高値、5/27高値)
前営業日終値:110.320
下値1:110.000(大台)
下値2:109.932(5/26~5/27の50%押し)
下値3:109.813(5/26~5/27の61.8%押し、日足・一目均衡表転換線、50日移動平均線)
下値4:109.713(ピボット1stサポート)
下値5:109.469(5/27安値)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

10:34 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想