kabukabumanさんのブログ

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☆割安株の落とし穴(その②)

パナソニックとシャープのどちらにも言えることですが、両社が破綻を免れたとしても

株価的に一度は地獄を見ることになるでしょう。

「もう充分地獄を味わってるよ」という方も居られるでしょうが、今はまだアリ地獄の途中だと思います。

東電の場合は国が絡んでいたため、株価が二桁になることはありませんでしたが

パナやシャープは底なし沼を想定しておく必要もありそうです。

 

ところで昨日の日記は、たまたまパナソニックがS安で引けたため

初心者の中には売られ過ぎだと錯覚する方が居られるのではないかと思い

お節介を承知の上で書いたのですが

要は、初心者の方が陥りやすく、しかも無意識のうちに銘柄選択の障害になっている

「思い込み」「勘違い」に気付いて頂きたいというのが主旨でした。

従ってベテランの方々には釈迦に説法だったと反省しております。

 

また実際のところ割安・割高に明確な判断基準がある訳ではなく

最終判断は個々の経験に委ねるしかありません。

ただ、割安と判断して買った株が下がった時は、必ずその原因を究明して記録しておくことが大事です。

 

そこで昨日の日記と一部重複しますが、初心者の方の気付きに繋がれば幸いと考え

経験上感じたことを少し補足しておきます。

 

 <本文>

絶対に割安だと信じて買った銘柄が、意に反して全く動かなかったり
逆に下がってしまうことは意外に多いと思います。
ではなぜそうなるのか?
答えは幾つかありますが、思惑通りに運ばない時は必ず原因があるので

そこに気付きさえすれば何度も同じ失敗を繰り返すことはありません。

(1)指標の判断に見落としがあった
株価の割安度を判断する時は、売り上げや利益の他に財務指標(PER、PBR、PCFRなど)や
同業他社との株価水準、或いは事業の成長性などに着目します。
しかしこれらの指標が当該企業の成長性や安全性を正しく表しているとは限りません。
例えば
PERは特別利益や特別損失によって大きく変動する
PBRがどんなに低くても、価値のない棚卸資産や回収不能な売掛金ばかりではむしろ割高
借入金が多い、優先株を発行しているなど財務上のマイナス要素がないか
設備投資が遅れている企業はこれからお金がかかるだけでなく、増資の懸念もある
有価証券などの評価損を内包している場合は財務諸表で見極めることが出来ない
この様に、指標の割りに株価が安い時は、割安と判断する前に
他に安い理由がないか検証する必要があります。

因みに私達が特定の銘柄を割安だと自信を持って判断出来るのは
相場全体が一時的に暴落し、猫も杓子も叩き売られた時だけと言っても過言ではないと思います。

言い換えると、特定の銘柄がどんなに暴落しても、それは割安になったのではなく、単に安くなっただけです。

結局本物の割安株が日常的に存在する可能性は極めて少ないのではないでしょうか。

2)他社と比較して確かに割安だが人気のない銘柄を買ってしまった
割安銘柄とは市場から過小評価されている銘柄を意味しますが
この様な銘柄には幾つか共通点があると思います。

①事業内容が地味で発展性に乏しい
②社名が地味(事業内容をそのまま社名にしている企業など)

  例えば 日本製麻、片倉チッカリン、第一稀元素化学工業、日本抵抗器製作所、中央魚類 など
③経営者が地味(HP上に顔写真を載せない経営者など)
④事業戦略が地味(研究開発や海外戦略に消極的、戦略が見えない、など)
⑤親会社や取引会社の業績に影響を受けやすい(部品や原料の製造など)
⑥株価対策に関心がない(常に控え目な業績予想を出すなど)

⑦IRなどの情報発信が少ない
⑧様々な事業に手を出し柱となる事業がない

⑨本業が赤字続きのため投資事業に手を出す
⑩ステークホルダーに魅力がない(販売先、提携先、関連会社、主要株主など)
⑪株式の流動性が低い(慢性的に出来高が少ない)
⑫長年二部上場に甘んじている
⑬HPに難あり(デザインがダサイ、滅多に更新されない、見にくいなど)  ・・・・・・・etc

いくら指標的に割安とはいえ、こういう銘柄は一般的に敬遠されがちです。
では人気のない企業でも、業績が大幅に伸びると人気化するでしょうか?

残念ながら答えはNoです。
人気薄の銘柄がどんなに好決算を発表しても、多くの場合株価の上昇は一過性です。
逆に人気の高い銘柄が赤字に転落しても、一時的な暴落はあるにせよ
ほとぼりが冷めると次回の決算期待で再び買われます。

つまり割高株は慢性的に高く、割安株は慢性的に安い傾向がある訳で

これが「割安に買いなし」という格言の根拠だと思います。
但し慢性的な割安株が永久に放置されるかといえば例外もあります。
それは事業環境が大きく変化した時で、確率が低い分株価は大化けする可能性を秘めています。
例えば
事業構造の変化(新発見、新発明、画期的商品の開発)、グローバル化
資本・業務提携、M&A、特需の発生(国策を含む)、取引先の変化、流通の変化
流行の変化、配当の変化、社長の交代、CMのヒット   ・・・・・など

そう考えると割安株に投資するチャンスは事業環境の変化が期待出来るタイミングであり
その時期を如何に早く察知するかが割安株攻略の大きな鍵になると思います。
つまり日常的に私達が割安と言っている株は、市場の判断としては決して割安ではなく
確実に成果を求めようとするなら、むしろ割高株に投資する方が正解と言えそうです。

(3)買うタイミングを間違えた(衝動に駆られて早まった)
通常株を買う時は月足で株価水準、週足でトレンド、日足で買うタイミングを夫々判断しますが
幾ら事前の調査・分析に時間をかけても、肝心の買うタイミングで逸る気持ちを抑えきれない人は
しばしば高値掴みをして塩漬けを作ってしまいます。

事前準備に時間をかけたつもりでも、これでは衝動買いとあまり変わりません。

因みに、一度買いたくなると我慢出来ない人は、一日我慢する訓練を行うべきです。

それが出来れば二日や三日の我慢はそう難しいことではありません。
無論我慢が裏目に出ることもありますが
一日でも我慢して買った場合は後悔よりも安堵の方が遥かに多いと思います。

さらに衝動買いをする人は、しばしば銘柄に惚れ込む(思い込む)傾向があるので要注意です。
一般的に人は買いたい衝動に駆られた瞬間からその銘柄をひいき目で見てしまうので
事前調査の段階で、既に目に見えない過ちを犯していることが多いのです。
ですから買いたい衝動に駆られた銘柄の評価は冷静な人でも2~3割
銘柄に惚れやすい人(思い込みの激しい人)は5割以上差し引くことをお奨めします。

<まとめ>
真の割安株は簡単に探せるほど市場に放置されてはいない

割安か割高かは財務指標ごとに同業他社と比較して初めて見えて来る
割安だと断言出来るのは相場全体の暴落時に連れ安で叩き売られた優良株や人気株だけ
人気がなく長期間割安に放置されている株が化けるのは事業環境が一変した時
買いたい衝動が強い銘柄ほど割り引いて評価すべき

「思い込み」[衝動」「勘違い」は個人投資家にとって「3つの大敵」



 


 

 

 

 

 

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