碁の替え歌 －「定石越え（天城越え）」

[ユリウスさん]

　3月の「囲碁教育研究会」に「いきいき塾」の活動を発表する機会があった。大したことはしていないけれど、17年間、月一回の囲碁例会だけは一回も欠かしたことがないのは評価していただいたと思う。

　発表の際、囲碁の替え歌も披露した。替え歌と言うのは何処か人の心をくすぐるものだと見えて、数人の方から歌詞が欲しいという依頼があった。

　その中のお一人は宮本直毅九段で、プロの先生が歌ってくださるというから、替え歌とはいえ作詞者冥利につきるというもの。

　もう一人は「囲碁きっず！」　をはじめ、幅広い活躍をしておられる?きっずファイブ代表の政光社長。政光氏は替え歌をSNSのgoxi の仲間に知らせてくださった。そしたら、なんとリクエストがきたというじゃありませんか。
　石川さゆりの「天城越え」で囲碁の替え歌をつくれと。
　歌詞を睨んでいたら、割合すらすらとできた。





（元歌）「天城越え」

　弦 哲也作曲　吉岡 治作詞　石川さゆり唄

　隠しきれない 移り香が
　いつしかあなたに 浸みついた
　誰かに盗(ﾄ)られる くらいなら
　あなたを殺していいですか

　寝乱れて 隠れ宿
　九十九(ﾂﾂﾞﾗ)折り 浄蓮(ｼﾞｮｳﾚﾝ)の滝
　舞い上がり 揺れ堕ちる肩のむこうに
　あなた・・・山が燃える

　何があっても もういいの
　くらくら燃える 火をくぐり
　あなたと越えたい 天城越え
　
　

「定石越え」（天城越えのメロディーでどうぞ）

隠しきれない　ひそかな手
いつかだれかに　試したい
他人を殺す　くらいなら
あなたを殺して　いいですか

向かい合う　隠れ宿
大斜がけ　村正の妖刀
ハネカケて　押しつける　盤の向こうに
あなた…　石が燃える

なにがあっても　もういいの
くらくらかすむ　石並べ
あなたと打ちたい　狂うまで


ここを叩けば　しびれると
あなたの手つきの　憎らしさ
防ぐだけでは　死(ｼﾆ)なのね
反撥すれば　活(ｲｷ)はある

付け切って　捌きあう
切ったまんまの　危うい手
読んでも　読んでも　頭くらくら
あなた…　石が燃える

なにがあっても　もういいの
くらくらかすむ　石ならべ
あなたと打ちたい　狂うまで

　　

※囲碁用語について
大斜がけ＝大斜百変といわれる変化の多い定石
村正の妖刀＝定石に付けられた俗称の一つ。難解で未解明部分も多く、また変化型が多いために誤ると自らも傷を負うところから、村正にちなんでこの名が付いた。
はねかける、押しつける＝跳ねる、かける、押しつけるは石の動きにつけられた名称。
叩く＝二目の頭をたたく、というように使う。叩かれると痛い。しびれる。
付け切って＝付けと切りの連続技。