麦にゃんさんのブログ

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アジアNo1を目指して

台湾の経済部(経済産業省)は10日、IT(情報技術)分野で中国に対する投資規制を緩和すると発表した。大型液晶パネルの中国工場建設を解禁することなどが柱。パネル世界首位のサムスン電子など韓国勢が相次ぎ中国進出を決めるなど、国際競争が激化する中、台湾企業の競争力確保を目指す。ただ、最新鋭の半導体工場は進出を認めないなど、中国への技術流出を警戒する台湾内の懸念にも配慮をにじませた。
 台湾では技術流出への警戒感に加えて、産業空洞化で台湾経済が疲弊するといった懸念から、主力産業のIT分野で対中投資を規制してきた。液晶パネルも対中投資が禁止されていたが、10日の緩和策によると「第6世代」以降の投資を解禁する。規制緩和を受け友達光電(AUO)は「早期に具体的な投資計画を申請する」とのコメントを発表。鴻海グループとの合併が決まっている奇美電子は「合併後に中国進出計画を詰める」としている。
 半導体では焦点となっていた300ミリウエハーの工場建設を認めず、「300ミリウエハー」の工場をすでに保有する中国企業への出資を認めるにとどめた。ファウンドリー(半導体受託生産会社)世界首位の台湾積体電路製造(TSMC)と、台湾2位のUMC(聯華電子)の2社は規制緩和後に中国の半導体メーカーに出資・買収する契約を結んでおり、両社の出資は可能になる。
 台湾が規制緩和に踏み切る背景には、韓国勢などに中国進出で遅れをとったままでは国際競争力が低下するとの懸念がある。韓台勢の積極進出で中国はパネル生産の集積地として存在感を高めそうだ。ただ、台湾当局はパネルについて進出を量産を始めている世代の1世代前までに限定。台湾で次世代工場を建設することも条件にするなど生産の本拠地を台湾に残させる姿勢を鮮明にした。
 10日、記者会見した施顔祥・経済部長(経済産業相)は今回の規制緩和を「台湾での投資を優先し、技術を台湾に残すことを考慮して決めた」と強調。300ミリウエハーを認めなかったことについては、同工場を建設しなければ台湾の国際競争力を保てないような切迫した状況ではないと語った。今後の国際競争環境の変化や中国市場の変化を見極めた上で、さらなる規制緩和も検討するとしている。
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