edge investorさんのブログ

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相場の循環~セクターローテーション

相場は循環を意識しながら参加しています。
最も強く影響するのは「政府の政策」で、時間差を経て株価に反映されます。
基本はカネの動きを俯瞰することです。
経済が動き始めると、まず銀行や成長産業にカネは集まります。
そして価格の小さなものから大きなものへ、すなわち食品などの小売りから住宅、自動車、重厚産業、金属・鉱山などの素材の順に動きます。

2023年11月現在、日銀は金融の引き締めに転じているようです。
つまり「業績相場」の最終局面と言えそうです。
政府はアベノミクス時代から金融緩和を大々的に行ってきました。
しかし政策の多くは大企業優遇策に向けられ、内需に向かう減税策はほとんど取られて来ませんでした。
そのため一般庶民は金融緩和の影響をほとんど受けていない中でコロナ渦を迎えました。
欧米はこの時期、国民に向かって減税やばらまきなどの直接給付を行ったため、インフレが爆発的に進みました。
そのため現在は金利をあげて「逆金融相場」に入っていると思われますが、あまりうまくいっておらず、引き締めを終えようとしている感があります。
しかし日本国民はそうした恩恵を受けていない中で海外からの輸入価格が高騰し、一方でコロナ規制が緩和されて購買行動を再開する動きもあります。
これらは通常の循環パターンとは異なっていて、複雑な様相を呈しています。

★参考サイト

1.不況への転換点となる「逆金融相場」:金利上昇+株安へ
金融緩和が続いて経済は成長しているものの、インフレやバブルの様相が現れ始めた時期です。
皆が総強気に浸っているなら相場は天井近くにあり、国は「金融の引き締め」で市場の軟着陸を目指します。
日銀は信用創造を減らして金利上昇を誘導し、政府は徴税を強化し、全方位で市中からカネを吸い上げます。
その結果、市場のカネが希薄化して円高に向かい、モノが売れなくなり、資金はリスクマネーから逃げて株価は下落します。
金利は上昇するので債権が買われる一方で、低利時代の国債と金利を産まないゴールドは下落します。

この時期は好況の余韻が残っていますが、持ち株は「売り」へとシフトします。
まずグロース株を売り、庶民が節約に走る食品・医薬品などのディフェンシブ株、中間層が買い控える住宅・自動車などが続き、機械・鉄鋼・エネルギーといった重厚産業株や商社、特に有利子負債が大きいリース・エネルギー・不動産と整理します。
銀行は金利上昇のメリットと、保有債券が下落するデメリットと相反する事態となるため、個別に判断する必要があります。

2.景気が悪化する「逆業績相場」:金利天井+株安の進行
国の数次にわたる金融引き締めで、市場のカネ不足が進んだ時期です。
この時期は地合が悪く、企業業績が良くても株価は上がりません。
金利が高いので企業の設備投資は控えられ、人々も懐が寂しいので消費熱は冷え込みます。
円高なので海外でモノは売れず、国内経済は減速します。
投資家は現金化を急いで実物資産を手放すので、土地・建物などの不動産価格も下落が進みます。
このようにカネの流れが滞って景気が冷え、業績と無関係に株価は落ちます。
下落が急過ぎると投資家がパニックになり、資金が一気に引き揚げられて「暴落」になります。

この時期も引き続き「売り」が中心です。
株の多くは下落途中にあるので、すでに手持ち銘柄は減らしてあるはずです。
重厚産業や金属資源系など、売らずに引っ張っていた株も整理します。
ただし先行して大きく下落していた医療品・食品・社会インフラなどディフェンシングからバリューとなっている銘柄を物色します。
円高なので、輸入材を扱うニトリなど小売業は恩恵を受けるでしょう。
国債も利率がピーク近くなので、一定量は買えます。

3.景気が回復する「金融相場」:金利低下+株価上昇へ

金融引き締めが進んで市場が総悲観になると、それが呼び水となって中央銀行が金融緩和を始めます。
利下げ、ETFや国債の購入、減税、公共工事の発注で、市中にカネが増える時期です。
カネが流れてくるので、消費者はモノを買い始め、企業は設備投資を活発化させるなどカネが循環します。
リスク資産を買う人も増えて、株価や不動産価格も上がり始めます。

この時期は株価が反転を始めるので、「買い」が中心です。
まずは大底となっているITなどの高PERグロース株、消費行動の恩恵を受ける小売りや旅行、少し遅れて住宅・自動車から物色します。
景気回復の兆候が見え始めるとインフレも進むので、石油・ガスなどのエネルギーや銅などの素材も買えます。
次の「業績相場」で上昇を始める大手不動産、安定して収益を上げる保険会社などの優良企業も、十分に下げているなら買い時です。

4.実体経済が拡大する「業績相場」:金利大底+株価天井
金融緩和政の効果が本格的に現れる時期です。
企業は業績が拡大して株価は全面的に上げ、遅れていた不動産・鉄鋼、商社などの重厚系企業も上昇します。
市場にはカネが溢れて円安・インフレが進み、株や実物資産に投資が集中します。
この段階が景気のピークですが、先行きに警戒感や疑いが残っているうちは上昇が続くでしょう。
しかしまもなく金融緩和が終了し、冬の時代がおとずれます。

株価は天井に近づきつつあるので、「買い」つつも「売り」の準備を始めます。
買いは上昇が遅れていたバリュー株、円安で恩恵を受ける自動車や工作機メーカー、値上げが遅れていた石油やゴールドなどから物色します。
売りは好景気の影響を受けにくい食料品、円安が逆風になる小売や医薬品、株価がピークに近い高PERのグロース銘柄です。
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