そら豆の株予報さんのブログ

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PER100倍のリスク

株価が割安かどうかのモノサシであるPER(株価収益率)。
株価÷EPS(一株当たり利益)で計算されているのは、
皆さんもよくご存知だろう。

今日はもっと突っ込んで見ていくこととする。

PERは「時価総額÷純利益」でも算出できる。
時価総額100億で純利益10億だとPERは10倍となる。
純利益がまるまる配当に回るとすれば(現実的には無い話)、
10年で投資した資金が回収できるということになる。

ではPER100倍の場合を見てみる。
時価総額100億円で純利益が1億円。
このままだと投資資金の回収に100年が掛かることとなる。

ただ、上記の年数は成長を加味していない。
つまり、今後急速に収益率が改善していくと
投資資金の回収はもっと早くなるということだ。

なので、一概にPERだけで割安か割高かは言えない。
売上や利益の伸び率などを見てみないと分からない。
PER10倍でも売上・利益ともに右肩下がりだと割安ではない。
逆にPER100倍の会社でも、来年10倍の利益を上げれば
一気にPER10倍になるし、1年でそれだけの成長ができるなら
更なる伸びも期待できるので割安ということになる。
しかし残念ながら純利益が1年で10倍なんて事は普通起こりえない。

したがってPER100倍のような超割高の株を買う場合は
今後数年間で今の株価を正当化できる利益が上げられるのか。
会社は将来に対してどういう予想を立てているのか。
会社予想の実現可能性は高いのか。
今後競争が激化する可能性はないのか(参入障壁は高い?)
といったことなどを、シビアに見て判断する必要がある。

単に成長分野だから、これからは○○の時代だから
ライバル会社がこれだけの利益を上げているから、
きっとこれからヒット商品を出すはず、
と言った個人の希望的感覚で選んでいると痛い目に合う。

それにやはりPER50倍以上は選ばない方がいい。
なぜなら下げ始めた時にPERの平均値15倍まで行く可能性があるからだ。
つまり3分の1以下の価格になる可能性がある。
その下落に耐えられるか。そのリスクに耐えられるかということだ。

さらに言うと、機械的なロスカットが出来ない人は
超割高株や仕手株には手を出さない方がいい。
自分のリスク許容度を正しく理解したうえで、
リスクコントロールを行っていれば、
株はかなりの確率で勝つようになっている。

今年前半、日本株だけでなくNY市場でも
将来の成長に投資するグロース株投資が盛んだった。
しかし今、世界の投資家の注目は割安なバリュー株に向かっている。
バリュー株がグロース株をアウトパフォームすると
2~3年はその流れが継続するというマッキンゼーの調査結果もある。

世界経済が回復に向かう中、株式相場は上昇トレンドだ。
あえてハイリスクなグロース株に投資せずとも
着実に利益を上げてくれるバリュー株が好まれるのも納得できる話だ。

6件のコメントがあります
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    おちゃちゃさん
    2013/11/21 15:59
    肝に銘じます(´・_・`)
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    そら豆の株予報さん
    2013/11/21 16:08
    おちゃちゃさんはFXしてるし、
    なんとなくですが、機械的なロスカットできる人だと思います。
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    ラ~ラさん
    2013/11/21 17:38

     コピして永久保存版です。

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    そら豆の株予報さん
    2013/11/21 18:02
    ラ~ラさん、

    超割高株は機関投資家も買わないし、
    逆に、勢いの鈍った超割高株は
    外資系証券が空売りで攻めてくることが往々にしてあるので、
    その点でもやはり敬遠すべきです。

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    coo4509さん
    2013/11/21 20:23

     

     こんばんは ^-^

     

     

     逆に 保有株のPERが高くなったら ・・・?

     

     保有株のPERは ほとんどチェックしておりませんでしたが

     今日 見てみましたところ PER51.20 ・・・

     証券会社のレーティングは 様々で 下も上もあります

     過熱感があると見るべきでしょうか ?

     ・・・ 東証1部銘柄です

     

     

     

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    そら豆の株予報さん
    2013/11/21 20:36
    coo4509さん

    営業利益から色々な費用を引いて最後に残るのが純利益です。
    色々な費用がかさむと純利益が減ります。
    だからPERはちょっとしたことでぶれやすい性質があります。
    決算書を見たら分かります。
    特に原因がない場合は収益率が悪化しているので、要注意です。
    ちなみに証券会社のレーティングはあまりアテになりません。

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