ユリウスさんのブログ

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一票の格差訴訟の判断がほぼ出揃う -2012年衆院選-

 日経Web版(26日)より引用します。
 最大2.43倍の「1票の格差」を是正しないまま実施された昨年12月の衆院選は違憲だとして、弁護士らのグループが選挙無効を求めた3件の訴訟の判決が26日、東京高裁、広島高裁松江支部、同岡山支部であった。岡山支部は小選挙区の区割りを違憲と判断。「投票価値の平等は最も重要。無効による政治的混乱が大きいとは言えない」と述べ、岡山2区の選挙を無効とした。
1票の格差を巡る一連の訴訟で選挙無効を命じる判決が出たのは、25日の広島高裁に続き2例目。
 広島高裁判決とは異なり、判決言い渡しから一定期間後に効力が生じるとする「将来効」付きの無効とはせず、司法が国会の怠慢を一段と厳しく批判した形だ。

 一票の格差是正の裁判は昭和37年の三見優一氏の「国会議員選挙無効請求裁判が出発点でした。どんな時代だったかと言うと、相撲は柏鵬時代、芸能界では吉永小百合と橋幸夫のデュエット「いつでも夢を」が流行していました。(懐かしい!)
 それ以降、先覚者の努力で選挙が行われるたびに、一票の格差是正を求めて選挙無効の提訴が続けられているのです。三見氏の訴訟から51年経って、やっと成果がではじめていることを嬉しく思います。

 今回の一連の訴訟は二つの弁護士グループが全国の高裁・支部に提訴していたもので、本日には16の判決が出揃うことになります。憲法判断なので、今後、最高裁判所がどのような最終判断を下すか注目されます。もう最高裁もムニャムニャと違憲をウヤムヤに糊塗して終わることはできないでしょう。


 これまでの判断を一連の判断を一覧にしてみます。

3月06日  東京          違憲
  07日  札幌          違憲
  14日  仙台          違憲
  14日  名古屋         違憲状態
  18日  福岡          違憲状態
  18日  名古屋・金沢支部    違憲
  22日  高松          違憲
  25日  広島          違憲・選挙無効
26日  東京          違憲
  26日 広島・松江支部     違憲
 26日  広島・岡山支部     違憲・選挙無効
  26日  東京高裁        違憲
  26日  広島高裁・岡山支部   違憲
26日 大阪高裁        違憲
26日  広島高裁        違憲
  26日  福岡高裁・宮崎支部   違憲
  26日  福岡高裁・那覇支部   違憲
  27日  仙台高裁・秋田支部    ?

 普通に考えたら誰でもわかる単純な一票の価値判断です。違憲なら選挙は無効とするのが妥当ではないでしょうか? あたり前の判断を示すのに、わが国の司法はいまだに政治的判断を持ち込んでいますが、今後キチンとした司法判断が下されることを希望します。

 このBlogを始めたのが2003年12月、その直後の2004年2月12日に「一票の格差是正は喫緊の課題」(できたら読んで欲しいとしてこの問題を取り上げています。その後、2004年2月19日「熱意欠く定数是正 参院「一票の格差」、2004年7月12日、2004年11月14日、2005年9月27日「国勢調査にもとずいて、一票の価値を平等に」、2006年7月27日「法律文と運用の乖離(2) -ひどすぎる日本」、2006年7月28日「続・法律文と運用の乖離(2) -ひどすぎる日本」にも書き続けてきました。
 

 翔年はわが国の裁判所が三権分立の役割を果たしていないと思っていますので、書かざるを得ないのです。長い間、代表民主制に相応しい選挙制度が何の努力もなされずに放置されっぱなしになっていたのですから。

 その上、裁判所は「違憲」といいながら、「選挙無効」とはしないわけで、論理矛盾です。実際的には有効という判断をしたことになるわけで、よけい腹立たしいです。 秋までには最高裁の判決が出るようですから、この問題はその時にもう一度書きます。それで終わりになるような判決を強く望んでいます。

 
(参考)関連する憲法の条文
第14条一項
すべての国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

第15条一項
全ての公務員は全体の奉仕者であって、一部の奉仕者でない。
(※公務員とは国の公務に従事する者の総称だが,国家公務員法では国会議員を除外している。具体的にどの職が国家公務員の職に属するかは人事院が決定する。一般職と特別職に分かれ、後者は国家公務員法の適用を受けない。)

第76条三項
すべての裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束されす。

第81条
最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する最終審裁判所である。

第99条
天皇又は国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

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