己を知るということ

Micky G. Albertさん
Micky G. Albertさん
 前回の日記にて"『損切以外のリスク管理』 第2回"を書かせて頂いたのですが、趣旨は『
イメージを数値として振り返りイメージと実態の乖離が有る場合には修正する』ということだ
ったのですが、意外にも『身の丈をわきまえる』、『自分のタイプにあった方法で攻める』と
いう大変面白いコメントをいただきました。私自身がむしろ学ばせていただきました。大変あ
りがとうございます。
 『自分のタイプを知る』、『自分の身の丈を知る』ということは相場といわず極めて重要な

ことを再確認させていただきました。

 『己を知る』

 という事を意識する様に成ったきっかけについてちょっと書こうと思います。
 私は小学校1年生から30歳まで野球をやっていたのですが、特に高校を卒業してからは硬
式野球もかなりやっていてかなり野球マンでした。
 高校入学時に148cmしか身長が無かった(現在は168cmです)ので小学生に上がる
前からクラスで一番背が低かったのですが、これが災いし野球を始めた頃は完全に補欠、最終
回だけ外野の守備につき、たまに1打席だけ打順が回ってくるという状況でした。そして、監
督からはなんとなく『お前いらない』という視線を感じる・・・小学生でクラスで最も小さかっ
たので4年生くらいまではバットをしっかりと振り切ることがままならない非力さですからし
かたがないともいえます。
 でも、私はなんとかレギュラーとして試合に出たかったですし、マウンドで投げたかったの
で当時の自分なりに1つ工夫してみました。それはまさに『自分のタイプについて考える』こ
とから始まりました。

一番背が低い

 と思うのか、

一番背が低い

 と思うのか・・・この2つは文字だけだと同じですが、こうしてサイズを変えてみると意味は
まったく変わってきます。私は後者の方に考え方をシフトし投げる方はアンダースロー、打つ
ほうはスイッチヒッターに挑戦し、目一杯小さく構えストライクゾーンを狭くし、とにかく塁
に出られるようにする。
 面白いものでこれを実行してからわりとすぐに敗戦処理やワンポイント(チームにはエース
的な人が右投げ、左投げと1人ずついたのですが、この間に投げさせてもらえました)で使っ
てもらえるようになりました。少年野球の監督という人も作戦を駆使している感を味わってい
たいのでしょう・・・
 それとほぼ同時期からセンターを守らせてもらえるようになり、打順も1番に固定されるよ
うになりました。4年生頃から背は低いままでしたが長打力もついてきて3番を打つことが増
え、投げる方はかなり冷静なタイプだったからか抑え投手として勝ち試合の最後の2回を投げ

ていました。
 考えるのを止めていたら、

『背の低い使えない外野の控え』

 でしたが、自分の特徴を活かす事で

『最も低い位置からボールが飛んでくるアンダースローのクローザー』
『ストライクゾーンがこれまで対戦したバッターの中で最も狭く、スイッチヒッター、甘く入ると長打も有る・・・』

 となり全く印象が違う選手になってきます。
 この頃から

 『あらゆる事象を有利不利で捕らえない、あくまでも"状態"なのだ、
              その状態をどうしたら有利に扱える様にするのかが全て!』

 と考えるようになりました。対戦データは詳細にわたって当時から記録していたのですが、投手の攻略の一番最初にやる分類は以下の通りだと気がつきました。これは投資における『実態とイメージの乖離の確認と対策』に近いと思います。

『得意と思っている通りに打てている』場合はOK
『得意と思っている割にそんなに打ててない』場合は得意となる印象になった場面を思い出しその状況をどうやったら何度も再現できるのかを考える。
『苦手と思っているが割りと打てている』場合はその苦手意識を捨てることと苦手意識をもっている理由を考える。
『苦手かつ打ててない』この場合は以降より詳細に記録を取る&ファールで粘ってファーボールでなんとか塁に出る等最悪の結果よりちょっとでも良くなるようにする。

 16歳の頃に会社を立ち上げ、現在24年が経過しましたが独創性のある作品でいくつか派手な結果を残し生き残っていられるのはこの思考のおかげだと思っています。
 株式やFXは考えることをあきらめないこと、メンタルがしっかりしていればスポーツよりはるかに多くの人が勝者に成れる要素があると思っています。

 私が子供の頃の経験談ですが何かのお役に立てれば幸いです。

12件のコメントがあります
1~12件 / 全12件
鬼瓦さん>

 コメントありがとう!!

 凄いというか、かなり極端ではあったと思います。ゲームソフトを作り始めたのも小学4年の時からですので客観的に物を見る思考がどこかにはっきりと存在したのだと自己認識しています。
 野球という強いチームでも相当数負けるゲーム(昨年セリーグを制覇した中日ドラゴンズの勝率は.560を下回っています。)で『どうやったら安定した結果をだせるのか?再現性をもてるのか?』ばかり考えていたことで幼い頃から考える子供だったみたいです。

 FX・・・短時間での動きが大きいだけに冷静さが非常に重要ですね。

>「己を知れば百戦危うからず!」ってやつですね^^

 まさにそうなのです、自分が冷静な状況でないということが分かれば、『その時はトレードしない!』これさえやっていれば最初から冷静じゃないときには無敗で居られるのでそれだけでも勝率は自動的に引きあがっていきます。
 自分の周りで『FX~関心あるけどあれってお金なくなったりすることあるんでしょう?怖いからやらない~』という人も相当数いるのですが、この人達はこのまま生涯FXをやらなかった場合は、『生涯FXで無敗の人!』となります。これはある意味『己を知っている』ことで無敗を実現できているわけですねぇ。
kattanさん>
 こんばんは、コメントありがとうございます。

 まさに「長所」「短所」として考えるのを止め、『状態』として考えるようにしたからこそ、活かせたのだと思います。
 同時に、やっていたスポーツが陸上の様に一次元的に身体能力のみのゲームだったらこういう思考回路にはならずに居たのではないかと思います。

 ゆとり教育以降、しばらくの間『個性の無い若者』という事がさまざまな方面で言われていたと思うのですが、子供が好きな球技が野球からサッカーになってきたというのも関係なるかな?と思っています。野球の方がサッカーよりも活躍できている人の体系のバリエーションって豊富なんでよぇ・・・

 子供の頃の野球に始まり、ソフトハウスでプログラマをはじめた時に再び最下位スタート、会社を立ち上げた時にも最下位スタートと、その後も仕事で来るのは新規立ち上げ or 焦げ付いた物をどうにか立て直すというケースが大変多く、いわゆるチャンピオンチームに入って製作するというのは98年~99年にピンボールを製作した時くらいのものでした。
 そういうこともあり、今でも平たく勝負して力で押し切れるものにたいするコンプレックスの様な物がゼロにはなかなかならないです。
 
 力という事で2000年代になって知った野球の事でびっくりしたことなのですが、かつて南海→オリックス→ダイエーと渡り歩き、40歳にしてホームラン王を獲得した門田、現在巨人軍に居る小笠原、この2人は高校の時にはホームランを一本も打ってないんです・・・。あきらめないで居ると相当なことまで実現できるようになってしまうのだなぁと感じました。
nyajyaraさん>
 コメントありがと~。
 ポジティブシンキング、非常に重要だと思います!
 プロ野球チームで万年下位に沈んだチームをたてしてしまう監督というのは多くの場合理論派監督ではなく、ムードを明るくする事が出来るタイプの人であるケースが得てして多いのも『ポジティブシンキング』の重要性を物語るところでしょう。
 nyajyaraさんの言われるとおり、ポジティブで元気な人が周りに明るいムードを作り圧倒的に支持されると思います!ジメッとした感じだといきなりメンタル面で沈んだ状態ではじまりますものねぇ・・・これだと勝てるものも勝てなく成っちゃいます。

 明日も相場は動いていきます!為替では重要指標が多いです!がんばってまいりましょう!
terry1948さん>
 こんばんは!コメントありがとうございます。

 『好き嫌い』

 『良し悪し』『有利不利』と捕らえないで状態として捕らえることは意識していたものの、『好き嫌い』は思っても見ませんでした。改めて私の意識に『"好き嫌い"で捕らえない』を加えさせていただきます!ありがとうございます!

 受け止め方、これは実際に物を見る上で公正に見ようとすれば見ようとするほど『有利不利』の類ではなく、『状態』になってくることが多い(本当に単に『有利不利』あることも多々ありはします)のですが、正しく物を見る上だけでなく、terry1948さんが言われるようにメンタルの面でも重要なことですね!
kfjさん>
 コメントありがとうございます。

>力強いお言葉,ありがとうございます。Mickyさんの文章を拝読しながら,私もますますそのように思えてきました。  
> 有利不利で捕らえない、あくまでも"状態"

 kfjさんに同じ様に感じていただければかなり正しい事を書けている自信が深まります。
 作品を作るうえでもさまざまな作戦を考える上でもこの『有利不利で捕らえない、あくまでも"状態" 』というのは私にとって非常に重要なスローガンとなっています。この事がなんとなく意識されるようになってから発想力が大幅に成長した様に思えています。

 現在のUSD/JPY、国債の大量発行による借金の詰みあがり、外貨準備比率における日本円の下落、産業の空洞化等を考えると現在の円高は『最後の円高』かもしれないと思っております。まさに言われるとおり、チャンス!と受け止めることが出来ると思います。
島次郎さん>
 こんばんは、コメントありがとうございます。
 今の世の中全体の景気、人を使い物にしてしまう世の中の風潮、馬鹿な政権等ノイズの多い世の中だからこそ『諦めない』が重要で、進化していればどこかにブレークスルーがあると思います。
(退会済み)
ミッキさん凄い小学4年生だったんですね!
小4にしてあの考え方は超凄いです!!

たしかにFXは冷静さを失ったら稼げない気がします。
「己を知れば百戦危うからず!」ってやつですね^^
kattanさん
『己を知る』って本当に大事ですよね。

誰にでもある「長所」「短所」ですが、
短所も考え方によって、野球でも生かせるんですねえ。

私も中1までは背が低かったので悩んだことありますが、
そこまで考えが及びませんでした。

とってもわかりやすい内容でした。(拍手)

またterry1948さんのコメントも、素晴らしい内容でした。
nyajyaraさん
こんにちは。

positive thinking ができるひとは、前向きな人!

こういう人が成功できるようです。^^

周りからも好かれますしね。
terry1948さん
Mickyさん、おはようございます。

いいお話を有難うございました。

今の状態、それには良いも悪いもありません。
良し悪し、好き嫌い、有利不利、-----
これはみな自分自身が作り出しているのです。

悪い方向に受け止めるのか、
良い方向に受け止めるのか、
で結果はエラい違いです。
そしてそれを決めるのも
自分次第なのです。
kfjさん
☆Micky G. Albertさん

> 株式やFXは考えることをあきらめないこと、メンタルがしっかりしていればスポーツよりはるかに多くの人が勝者に成れる要素があると思っています。

力強いお言葉,ありがとうございます。Mickyさんの文章を拝読しながら,私もますますそのように思えてきました。

また,

> 有利不利で捕らえない、あくまでも"状態"

というのも卓見ですね。

都知事選へ出馬するらしい東国原氏の講演を先般聴く機会があったのですが,講演のサブタイトルが「ピンチはチャンス」。こうした言葉にしてしまうとやや軽薄の感は否めないのですが,それはさておき意図するところは頗る正しい。

ここ1年あまりのドル・円レートにしても,少なくとも私にとっては運用資産を米ドルに持っていく好機になった,と見ています。
島次郎さん
あきらめたら、そこで進化も止まってしまいますね。非常に参考になる日記です。
Micky G. Albertさんのブログ一覧