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公開会社法

日経新聞の経済教室が会社法制の行方を2日(2010年4月13日、14日)連続して取り上げました。現代の証券市場のジャングル性に配慮があまりにもされていない論理展開だったように思います。

株式会社はもともと資本集約の仕組みとして大々的に活用されてきた仕組みですから、公開もしくは準公開会社として位置づけられるものです。資本集約の過程で、株式が多くの人々に分散して所有されるようになったことから、株式に本来的に認めている法的権利としての当該会社に対する私有財産権が会社に対する支配権と会社からの利得所有権に分解され、支配権が事実上経営者の手に渡ってしまった、というのが、所有と経営の分離、と呼ばれることの内容です。所有と経営の分離も問題の根本原因は、経済的負担やリスクを負わない経営者が会社を支配することにあるとされています。

この所有と経営の問題が整理されて指摘されたのは1932年ですが、現代は、瞬時に経済的負担とリスクを移転できる投資家や、ロングとショートを同時に行うことによって経済的負担やリスクを負わない投資家が、株式に付与されている議決権を行使できる状態にあります。そもそも株主に議決権が与えられている経済的合理性は、会社に対して残余利益もしくは残余財産の請求権しか与えられていないことにありますが、そのような考え方は現代のような高頻度売買を可能とする株式市場を想定していません。IT・インターネット時代の公開会社法の検討には、投資家と株主の分離問題を明確に取り上げなければならないのではないでしょうか。TOBルールを英国型にすべき、という意見には賛同しますが、日経新聞の2つの経済教室では、この投資家と株主の分離問題が明確に論じられていないように思います。

株主代表訴訟を行うには、6か月以上株式を継続保有しなければなりません。取締役選任や重要な資産売却・会社合併には対する株主の承認が必要とされます。投資家と株主をどう区分するか。フランスのように3年以上保有すると1株に対して2議決権が与えられるという制度を真剣に検討してもよいのではないでしょうか。米国のように、短期の株式譲渡益には通常の所得課税率(50%以上)が適用され、長期の譲渡益には低い税率が課せられる、ということも検討すべきなのではないでしょうか。証券市場にはさまざまな参加者がいるべきだと思います。空売りが単純に悪とする意見には賛成できません。証券市場における市場参加者のバランスの問題と、会社における株主総会におけるバランスの問題の2つに目を配る必要があると考えているのです。短期の収益さえあげればよいというほど会社経営は単純ではないはずですし、守りをしながら攻めや成長の火種は確保しておく必要があります。短期収益を着実に会社には達成してもらい、株価は可能な限り短い期間で大きく上昇してもらいたいと投資家は考えてしまいます。これは投資家の性です。ITや金融イノベーションや市場参加者の能力アップで投資家の性を実現するための様々な手段が利用可能となっているのです。
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登録日時:2010/04/14(23:07)

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