NGTNさんのブログ

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週末まとめ -2/15/2009-

★ アメリカ
週間では、ダウは-5.2%、ナスダック指数は-3.6%、S&P500は-4.8%でした。月曜日は小動き、火曜日は金融安定化策が発表されましたが、詳細が決まっていないことを嫌気してダウは-382ドルの大幅下落、水曜日は小幅反発、木曜日は下落基調でしたが政府が住宅ローン返済支援を検討していると伝わったことから引けにかけて戻して前日比ではあまり変わらず、金曜日は金融株中心に売られて再び下落。

7870億ドルの景気対策法案は上下両院で可決され、あとはオバマ大統領の署名により成立します。17日に署名することが予定されているようです。それと、オバマ政権は18日に住宅差し押さえ対策の概要を発表するようです。

GMは、17日までに政府に提出する予定の経営再建計画の中で、運転資金の為の支援とチャプター11申請の為の資金支援の二つの案を提出するようだとWSJが伝えました。(http://online.wsj.com/article/SB123458663412987489.html
効率良く再建するのだったら、チャプター11を申請してドラスティックに進めた方が良いのでしょうけど、そうすると関連の部品メーカやディーラー、労働者や退職者へのインパクトが大きいので、この不況下で断行できるのかという問題があります。それと、オバマ大統領の政治基盤はシカゴですし、UAWは民主党の大票田なので、チャプター11申請させて高給取りの労働者などをどんどん切り捨てる、ということが出来るのかという政治的な面もあります。従って、政府による資金支援を続けて、赤字を垂れ流しながら公共事業みたいに存続させるという選択肢もありますね。

金融安定化策については、この日記に書きました(http://minkabu.jp/blog/show/118264
この金融安定化策のうち、大手行へのストレステストはすでに着手されているようです(http://minkabu.jp/blog/show/118605

金融安定化策に対しての株式市場のネガティブな反応は、詳細が不明なことによる失望もあるでしょうけど、それに加えて、
・金融システムの穴(今後も続く巨額の損失計上と銀行の資本不足)
・実体経済の穴(需要不足)
これらの深刻さに対しての認識が深まってきたこともあると思います。これらはいずれも巨大です。アメリカの場合、合わせて数兆ドル規模です。だから、金融安定化策の細部がはっきりしたとしても、この穴を埋める巨額のお金はどうするのかという面が解決されないと株式市場は好感しないと思います。

これらの株式市場への織り込み度合いは・・・よくわかりませんね。まだ足りないような気もします。ただ、Dr.DOOMと呼ばれるルービニは1月中旬のインタビューで、S&P500は今年はあと20%下落する可能性があると答えていたと思います。”ルービニでさえ株式市場はあと20%しか下落しないと予想している”、ということはルービニの予想するほど金融システムや実体経済がひどくならなかった場合は、株式市場もそんなにひどいことにはならないのかも、という見方もできます。景気や株式市場に対しての悲観的な見方が優勢な今だからこそ、ポジティブシナリオも頭に入れておいた方が良いのかなと思っています。ドルや米国債が底堅いのも何か変な感じなんですよね。米国への信認が崩れない限りは、穴埋めの為のファンディングの問題も何とかなるのかなという考えも一応持っています(個人的にはドル下落予想ですが)。


★ 日本
週間では、日経平均は-3.7%、TOPIXは-3.3%でした。日経平均は、一週間を通じて弱い動きでした。14時以降に崩れることが多かったのでなおさら弱い印象を受けました。業種別では、ディフェンシブが下げ渋りましたが、海運、鉄鋼、保険、証券などは大きく下げました。

先週の日経平均は週の後半にかけて上昇していき為替も円安傾向で、このまま上昇するのかと思わせましたが、結局、この時期は需給が悪いというアノマリーに勝てなかった感じです。米株の下落もありましたが、相場を見ていても需給の悪さを感じました。3月上旬までは需給が悪いことが多いので、注意した方が良いでしょう。

日経平均の予想EPSは122円、予想PERは63.76倍まで上昇しています。景気が悪い時に景気敏感株のEPSが蒸発するのは仕方がないです。以下のチャートを月足に変更して見ればわかりますが、前回のリセッション時もEPSが蒸発してPERが跳ね上がっています。こういう状況では、「今のEPSが122円、妥当PERが15倍として、妥当な日経平均は1830円」、というような計算はナンセンスです。
http://www.opticast.co.jp/cgi-bin/tm/chart.cgi?code=0170

一般論として、景気が悪い時の株価の下値目処は、フロー(いくら稼げるか)ではなくてストック(いくら持っているか)で見ます。ストックの代表的な指標はPBRですね。現在の日経平均のPBRは0.89倍で、80年代以降で最低水準まで低下しています(それ以前についてはデータを見た記憶がないので不明)。PBRで見れば、日経平均は歴史的な安値、と言うこともできますね。まあ、損失を出して事業規模を縮小していけばBPSが下がってPBRも上昇していくのですが・・・。個人的には、今年の日経平均の下値は、6500円~7000円程度かなと思っています(特に根拠はありません)。上値は、来年以降、どれだけ稼げるのかにかかってきますね。

パナソニック15,000人、日産自動車20,000人と、大手企業の人員削減の発表が目立っています。多くの企業で新卒の採用も大幅に抑えられるみたいですね。生まれた年が一年違うだけで、ここまで環境に差がつくのは厳しいです。私の卒業した大学の学科は、製造業の推薦枠が豊富で就職には苦労しないところだったのですが、さすがに枠を減らされるんだろうな・・・と思いました。(学生時代の友人は、トヨタとかソニーとか新日鉄とかそんなところばかり就職していました。私はSEになるのを選んだので、ちょっと毛色が違うところに行きましたが。ちなみに学科のカリキュラムはキツイです。推薦枠があるのも卒業研究に専念させるためだと思います。学生時代を通じてのトータルの労力で考えたら、就活の時だけ苦労する方がずっと楽ですね。まあ、就活の時の薄っぺらい苦労なんてその後は大して役に立たないでしょうから、学生時代に勉強で苦労した方が自分のためには余程良いです。)


★ 為替
週の前半は円高、週の後半は円安。週間では、前週末とあまり変わらない水準で一週間を終えました。ドルはなかなか下がりませんね。レパトリでしょうか。ファンドの解約が多かったと思われる去年の11月も、ドルは強かったですし。


★ 商品
ゴールドが強かったです。ドルも強くてゴールドも強い・・・いずれどちらかは崩れるのでしょう。原油は弱かったです。実体経済が弱いですし、投資商品として見た場合の需給も悪いのだと思います。


★ 今週の予定

16日(月)
 第4四半期GDP・一次速報(日)
 米国休場
17日(火) 
 12月第3次産業活動指数(日)
 2月ニューヨーク連銀製造業景気指数(米)
18日(水)
 1月輸入物価指数(米)
 1月住宅着工件数(米)
 1月鉱工業生産(米)
 FOMC議事録・FRB経済見通し(米)
19日(木)
 1月生産者物価指数(米)
 2月フィラデルフィア連銀景況指数(米)
20日(金)
 1月消費者物価指数(米)




昨日はだいぶ暖かかったみたいですね。私は朝5時に家を出てスノボに行ってたので、東京の状況はわかりませんでしたが・・・スキー場も暖かめで雪が緩かったです。
5件のコメントがあります
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    NGTNさん、こんばんは。

    月曜日は米国休場となると、本格的に動くのは水曜日以降ですかね。

    お気に入りの曲、早速ナップスターで視聴しました。20年以上前の曲なんですね。

    ダブログの復旧、切望します。
  • イメージ
    NGTNさん
    2009/2/15 22:47
    久々に更新してみました。PVが意味不明で笑えますが曲自体は名曲です。
    doblogは・・・困ったもんです。もっと色々書きたいのですが我慢しています。
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    こんばんわ

    GMがつぶれるかもという情報が2chでまことしやかに噂されています。

    為替もトレンドの転換期かただの気まぐれかわからないですけど急激な乱高下が日々続いていておっかなびっくりでFXの取引をしています。

    早く政治にこれで景気が上がるという必殺技を出して上げトレンドをに転換して安心してLを発射できるようにしてほしいものです。今現在上がってるからといってなかなかLの注文を出す勇気がありません。
    だからといって、指標が死標になっても為替が円高にならず円安という逆の方向に行くおかしな減少が多々見受けられ怖すぎです。
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    ひよこさん
    2009/2/16 04:21
    こんばんは!お久しぶりです★
    ブログも日記もいつも読ませていただいていますm(__)m

    日経PBRですが、1970年からの推移をまとめてくれている人がいました↓
    http://ameblo.jp/nqg57528/entry-10080398215.html

    過去の記録としては、昭和40年(1965年)7月12日の0.97が挙げられるみたいですね。
    http://www.tradition-net.co.jp/kouza/kab_kouza/kabu20.html
    1965年以前は知らないですが。
    記録は抜いたようですね。

    NGTNさん、SEされてたんですね!私もです。
    といっても、3年で辞めちゃったんですけどねっ。
    大学はカリキュラムもキツかったけど、卒業研究が特に大変でした~(>_<)
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    NGTNさん
    2009/2/16 18:52
    あったか丸さん、
    GMはすでにゾンビ企業ですので、潰すかどうかはオバマ政権の判断にかかってきます。政府が融資を止めれば、すぐ潰れます。

    目先の景気を浮揚させるには、政府が巨額の支出を行えば良いです。ただ、アメリカや日本の政府は借金まみれでそんなにお金を出せないので、そこそこの規模の景気対策を行うことになります(アメリカの景気対策も金額的には足りません)。それとバラマキ型の景気対策をやっても、その効果が切れたあとは元の木阿弥になってしまいますので、長期的には生産性を高める方向に持っていかないといけないですね。


    ひよこさん、
    PBRの推移、ありがとうございます。ていうか私が以前みたのもそのグラフでした。70年代も載っていましたね・・・。歴史を遡っても1倍を割れるのは稀なことなようで、今の状況の凄さがよくわかります。まあ当時は高度成長期なので、今の衰退期とは単純に比較はできないのでしょうけど。

    私もSEは3年ちょっとしかやっていないですね~。学部・院は機械工学で、それとはあまり関係ないSEになって、その次は投機家(無職)になって、と全く計画性のない人生を送っております。理系の卒業研究はきついですよね。私は無駄に修士も行ったので、2度も味わうことになりました・・・。会社員時代の方がずっと楽でしたね。
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