東芝は２００円ラインを巡る攻防、「ＪＡＬを想起」との声も◇

　東芝<6502.Ｔ>が大幅続落。株価は一時、前日比３０．６円（１３．３％）安の１９９.２円まで売られ２００円ラインを割り込んだが、その後はやや値を戻している。売買代金はトップと大きく膨らんでいる。１４日に現時点での業績見通しとして、１６年４～１２月期の連結最終赤字が４９９９億円の赤字となったと発表。昨年末時点で１９１２億円の債務超過となったことが嫌気されている。半導体事業の分社化による株式売却などで債務超過からの回避を目指すが、今後に対する不安感が膨らんでいる。きょうは銀行向け説明会が開催され、その内容も注目されている。

　経営再建に向けて「半導体事業でのマジョリティー（過半出資）にこだわらない」との姿勢が示されているが、原子力発電と半導体の二本柱を失った場合、何を収益源とするのかという問題が残る。あるファンドマネジャーは「機関投資家は手が出せず様子見姿勢にある。ただ、保有株を全部売却するわけにもいかず、思案どころだ」という。さらに「今年度末に債務超過が回避できる保証はなく、最悪の事態も頭をよぎる」とし「経営破綻した頃のＪＡＬ<9201.T>を思い出す」と先行きを懸念している。

（注）タイトル末尾の「◇」は本文中に複数の銘柄を含む記事を表しています。


出所：株経ONLINE（株式会社みんかぶ）