ポジション調整に注意も、上値追いへの狼煙は上がった!?

著者:武市佳史
投稿:2014/12/19 10:19

◆積極的とはいえないものの、FOMCを受けたドル買い継続

※ご注意:予想期間は12月20日と表示されていますが、本日(12月19日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。

FOMCを受けたドル買いは、昨日も続きました。
「利上げを推し進め」ながらも、「早期利上げ観測は後退させる」という“二元戦法”は、NYダウを420ドル超、米10年債利回りを2.22%へとさらに押し上げました。

スイスがマイナス金利を導入したことも、金融政策の違いをより顕著にした感があります。
こうしてドル円は、重かった119円ラインを回復しました。

もっとも昨日懸念したように、来週はクリスマス休暇を控えています。
また翌19日に日銀金融政策決定会合を控えるスケジュール感でもあることから、積極的な動きとはいえない動きでした。

◆日銀会合は“大きな揺れ動き”に注意

こうして週末を迎える中、本日は前記した日銀金融政策決定会合が予定されています。

“現状維持”が確実視されていますので、“サプライズなし”との見方が大勢を占めています。
ただ原油下落は「インフレ目標2%」を阻害する要因であるだけに、“予防的な追加緩和実施”への期待や“設定期日の修正”に対する思惑が存在しているのは事実です。
いずれも“緩和姿勢の強調”と見られるだけに“さらなる円売り”への期待も膨らもうというところですが、黒田総裁の記者会見も含めて“大きな揺れ動きに注意”と見ておいた方が無難かもしれません。

◆ポジション調整から目を背けることは出来ないが…!?

それでも“リスク回避一辺倒”の動きが後退したのは事実であり、“上値の重さ”より“下値の堅さ”が目立っています。
クリスマスを控える週末ですので、ポジション調整のドル売り・円買い戻しの可能性から目を背けることは出来ませんが、“上値追いへの狼煙はすでに上がった”と考えます。

12/8~12/16の61.8%戻しに当たり、防戦のドル売りとストップロスのドル買いが背中合わせで並んでいる119.40-50円が目先の上値メドと考え、突破できれば上昇加速の可能性有と考えます。
一方で、20日移動平均線と日足・一目均衡表基準線が展開する118.75-65円が下値メドと考え、割り込むと“利益確定売りが走る可能性有”ということに少し気をつけておきたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:120.362(12/8~12/16の76.4%戻し、ピボットハイブレイクアウト)
上値4:119.915(12/10高値、ピボット2ndレジスタンス、大台)
上値3:119.546(12/11高値)
上値2:119.446(12/8~12/16の61.8%戻し)
上値1:119.308(12/18高値、ピボット1stレジスタンス)
前営業日終値:118.821
下値1:118.759(20日移動平均線、12/18の50%押し)
下値2:118.644(日足・一目均衡表転換線、12/18の61.8%押し)
下値3:118.502(12/18の76.4%押し)
下値4:118.253(12/18安値、日足・一目均衡表転換線、FOMC発表後の戻り安値水準、ピボット1stレジスタンス)
下値5:117.879(12/16~12/18の38.2%押し)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

10:39 ドル円 抵抗・支持ライン追加
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武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想