“上値の重さ”が意識されやすいものの…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2024/02/26 10:48

◆ “小動き”に終始 - “150円半ば”を挟んで…


「東京市場休場(天皇誕生日)」ということで、流動性は大きく低下しました。
この影響もあって先週末のドル円は“小幅な値動き”に終始しています。
欧州タイムにかけて“150.763円”へと上昇、一方で米10年国債利回り低下(4.34%→4.24%)に引っ張られる格好でNYタイム中盤に“150.293円”へと下落する場面も見られましたが、値幅そのものは“わずかに50銭弱”に留まっています。

先週末にかけても、ジェファーソンFRB副議長/ウォラーFRB理事/クック同理事/ハーカーフィラデルフィア連銀総裁等が、「米早期利下げ」と距離を置く発言を相次いで行っています。
このため「米早期利下げ観測」はさらに後退し、“ドル買い”が促されやすい状況となっています。

一方で水準感から「円買い介入」に対する警戒感は根強いものがあり、“円売り”を積極的に後押しする雰囲気はありません。
こうして“下値は堅いが、上値は重い”を地で往く展開となっており、“明確な方向性”が見出せないというのが実状となっています。

◆ “下値の堅さ”は健在も、イベント不在とあっては…?


月末・月初週ということもあり、今週の米経済指標は“週半ば~後半”に集中している印象が否めません。
このため本日も「米新築住宅販売件数」くらいしか予定されておらず、米国絡みとしては“動意が乏しい”を引き続き意識せざるを得ないところです。
一方で「円買い介入」への警戒感は健在であり、オーダー状況を見ると“150.763円(先週末高値)-150.883円(年初来高値)”には「ドル売りオーダー」がビッシリ並んでいると聞き及びます。
そうなると“下値の堅さ→上方向”が基本路線とは見るものの、“上値の重さ→利益確定売り”が先行しないとは限らない…?

世界的な株高の中、リスクセンチメントは大きく改善してますが、本日に関してもドル円は“上値の重さ”を引きずると考えたいところです。
もっともそれで“下値の堅さ”がなくなるわけではありませんが…。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

151.952(22/10/21高値、22/11/13高値、大台)
151.856(+2σ)
151.778(23/11/14高値)
上値5:151.430(23/11/16高値)
上値4:151.230(ピボットハイブレイクアウト)
上値3:151.000(大台、ピボット2ndレジスタンス)
上値2:150.883(2/13高値《年初来高値》)
上値1:150.769(2/14高値、2/23高値、ピボット1stレジスタンス)
前営業日終値:150.523(+1σ)
下値1:150.293(2/23安値、ピボット1stサポート)
下値2:150.133(日足・一目均衡表転換線)
下値3:150.017(2/22安値、ピボット2ndサポート、大台)
下値4:149.853(2/21安値、ピボットローブレイクアウト)
下値5:149.682(2/20安値)
149.497(2/15安値)
149.264(2/13安値、20日移動平均線)
149.000(大台、2/1~2/13の38.2%押し)
148.923(2/12安値)
148.390(2/1~2/13の50%押し、日足・一目均衡表基準線)

《10:30》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想