それでも“さらなる上値模索”には障害が多い…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2024/02/22 11:36

◆ “金利・リスク”の両面から… - しっかり“150円台”


注目のFOMC議事要旨が「早すぎる利下げのリスク」を指摘したことで、米10年債利回りはさらに上昇しました。
一方で米半導体最大手・エヌビディアの好決算を背景にして、“リスク選好姿勢”も台頭しています。
こうして“金利/リスク”の両面から買い圧力がかかっているドル円は、しっかりと“150円台”を回復するに至っています。

一方でどちらも“概ね想定の範囲内”ということもあり、“押し上げ圧力”には至っていないのが実状でもあります。
こうして“下値の堅さ”は如実に表れているものの、“上値の重さ”を払拭するには至っておらず、“年初来高値(2/13高値:150.883円)”を窺う展開には発展していないのが実状でもあります。

◆ 方向感は“上方向”と見るが…?


前記「FOMC議事要旨」のみならず、昨日は『一部セクターのインフレはなお高過ぎる(バーキン・リッチモンド連銀総裁)』『利下げ時期は今ではないのは確か(ボウマンFRB理事)』発言も飛び出しています。
このため「米早期利下げ観測」はさらに後退している印象が強く、“もう一段のドル買い”は十分に期待される状況にあります。
またエヌビディアの余波にて、日経平均は“終値ベースの史上最高値(38,915.87円)”を一時上回ったことで、“リスク選好→ドル買い・円売り”も進行しやすいと見られるところです。
ただ日本が“3連休前”というスケジュール感を踏まえれば、どこまで上値を伸ばせるかは甚だ疑問と考えざるを得ない…?

オーダー状況を見ると“150.387円(昨日高値)-150.883円(年初来高値)”にかけては、「ドル売りオーダー」がビッシリと並んでいるとも聞き及びます。
“下値の堅さ”から方向感としては“上方向”とは考えますが、それで“上値模索→場合によっては年初来高値更新”につながるかはやはり微妙と考えたいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

151.952(22/10/21高値、22/11/13高値、大台)
151.778(23/11/14高値)
151.541(+2σ)
151.430(23/11/16高値)
151.000(大台、ピボットハイブレイクアウト)
上値5:150.883(2/13高値《年初来高値》)
上値4:150.769(2/14高値、ピボット2ndレジスタンス)
上値3:150.641(2/16高値)
上値2:150.504(ピボット1stレジスタンス)
上値1:150.431(2/20-21高値)
前営業日終値:150.295(+1σ)
下値1:150.000(大台、ピボット1stサポート)
下値2:149.853(2/21安値、日足・一目均衡表転換線)
下値3:149.682(2/20安値、ピボット2ndサポート)
下値4:149.497(2/15安値、ピボットローブレイクアウト)
下値5:149.264(2/13安値)
149.000(大台、20日移動平均線、2/1~2/13の38.2%押し)
148.923(2/12安値)
148.390(2/1~2/13の50%押し、日足・一目均衡表基準線)
148.000(大台)
147.924(2/8安値)
147.802(2/1~2/13の61.8%押し)

《10:45》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想