一旦“小休止”…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2023/08/09 11:05

◆ 米10年債利回りが低下しても… - “143円半ば”へ


「イタリア政府、銀行に追加課税」との報をキッカケに、昨日は“ユーロ売り→ドル買い”が進行しました。
また「中国貿易収支悪化(輸出・輸入共に△10%超)」を背景にして、“リスク回避→ドル買い+円買い”も並列しています。
このため「ムーディーズ、米中小銀行10行を格下げ」との報が流れ、「米10年債利回りが低下(→3.98%)」したにもかかわらず、昨日は“ドル買い”が目立ちました。
こうして東京タイム序盤に“143円台”に乗せたドル円は、NYタイム終盤にかけて“143.486円”へと上値を伸ばしています。

◆ 「真空地帯」の真っただ中だが…?


昨日も記したように、“143円台”には「主だった上値メド」が存在しない、いわゆる「真空地帯」に当たります。
このためテクニカル的には“8/3高値(143.894円)”まで上値を伸ばしてもおかしくなく、上回ると“さらなるストップロス”を絡める可能性も否めないところです。
それでも注目の米CPIを翌日に控える中、「積極的なポジション形成」は手控えられると見るのが自然…?

驚異的な数値を記録した“昨年6月分(前年比+9.1%)”が対象から外れることから、今回の米CPIは“上振れ”が意識されやすいと見られます。
このため“さらなる上値模索”が意識されやすいとは見ますが、イベント前ということを考えれば、本日は“様子見(上値が重い)”を基本に考えたいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

145.116(2022/10/27安値《2022/11/10急落時のネックライン》)
145.069(6/30高値《年初来高値》、大台)
144.909(7/3高値、ピボットハイブレイクアウト)
144.730(7/5高値)
144.646(7/6高値)
144.551(+2σ)
上値5:144.195(7/7高値、ピボット2ndレジスタンス)
上値4:144.000(大台)
上値3:143.894(8/3高値)
上値2:143.772(ピボット1stレジスタンス)
上値1:143.486(8/8高値)
前営業日終値:143.369
下値1:143.000(大台)
下値2:142.800(日足・一目均衡表先行スパン上限、+1σ)
下値3:142.681(ピボット1stサポート)
下値4:142.500(8/7~8/8の50%押し)
下値5:142.395(8/8安値)
142.267(8/7~8/8の61.8%押し)
142.000(大台、ピボット2ndサポート)
141.590(ピボットローブレイクアウト)
141.513(8/7安値、50日移動平均線)
141.155(週足・一目均衡表転換線)
141.087(20日移動平均線)
140.981(7/28~8/3の50%押し、日足・一目均衡表基準線/転換線、大台)

《10:45》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想