米ドル/円、米雇用統計@グッドフライデーの動きに要注意!

著者:津田隆光
投稿:2023/04/07 11:07

週末・週初、チョッピーな動きになる可能性も

米ドル/円・日足・複合チャート
米ドル/円・日足・複合チャート出所:マネースクエアFXチャート

【注目ポイント】「132.300円」を上抜け突破するか否か
【シナリオ①-1】「132.300円」超えなら、「135.000円」付近までの上昇を想定
【シナリオ①-2】さらに「135.000円」超えなら、「137.220円」付近までの上昇も視野
【シナリオ②-1】「132.300円」で上値抑制なら、「130.000円」付近までの下押しも
【シナリオ②-2】さらに「130.000円」割れなら、「127.000円」付近までの下落も視野
【注目材料】米3月雇用統計


米ドル/円の足もとのポイントとして注目していた「130.000円での下値サポート成否」。ここもとの動きは、「(130.000円付近での)下値固め」→「一旦の反発フロー」となり、一時21日MA(移動平均線)を上回る動き(上図黄色丸印)に。その後は、「上値抑制」→「下押しフロー」となり、足もとでは方向性を模索する相場付きとなっています。

上図にある各メルクマールを見てみると、1) 21日MAが右肩下がりであること、2) 遅行スパンがローソク足を下放れる“逆転”となっていること、3) ローソク足の上方に薄い形状の赤色雲(=抵抗帯、先行スパン)およびパラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)があること、そして4) DMI(方向性指数)で-DIと+DIが収斂し、ADXが右肩下がりになっている(上図青色点線丸印)ことから、現在の米ドル/円・日足チャートは上方硬直性を伴うレンジ相場を示すチャート形状であると判断します。

その他メルクマールでは、BB(ボリンジャーバンド)・±2σラインが収縮する“スクイーズ”のシグナルが見られることから、現時点の米ドル/円は上下ブレークを模索しつつ、相場の力を溜め込む時間帯と捉えて良いでしょう。


そんな中、足もとでの注目ポイントは・・・上述した21日MAをメドとする「132.300円」(上図黄色矢印および黒色線)を上抜け突破するか否か。

筆者が予想する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)


[シナリオ①-1]
これからの時間にかけて「132.300円」を終値ベースで上抜けた場合は、「基準線突破」→「上値切り上げ」となりそうです。当該ケースでは、「SARの買いサインへの転換」や「+DI>-DIへの変化」なども伴いながら、BB・+2σラインをメドとする「135.000円」(上図Ⓐ赤色線)付近までの上昇となりそうです。

[シナリオ①-2]
さらに、「135.000円」を終値ベースで上抜け突破した場合は、「上値抵抗線突破」→「もう一段の上値トライ」となる可能性も。当該ケースでは、「遅行スパンのローソク足への接近」や「+DI>-DIの乖離拡大」なども伴いながら、200日MAをメドとする「137.220円」(上図Ⓐ’桃色線)付近までの上昇も視野に入れるべきでしょう。

[シナリオ②-1]
一方で、「132.300円」で上値を抑制された場合は、「上値抵抗圧力の強まり」→「下押し」となりそうです。当該ケースでは、「SARの売りサイン継続」や「-DI>+DIへの変化」なども伴いながら、BB・-2σラインをメドとする「130.000円」(上図Ⓑ水色線)付近までの下押しを想定すべきでしょう。

[シナリオ②-2]
さらに、「130.000円」を終値ベースで下回った場合は、「(3月24日に付けた直近安値レートである)129.623円割れ」や「-DI>+DIの乖離拡大」なども伴いながら、1月16日に付けた年初来安値水準である「127.000円」(上図Ⓑ’紫色線)付近までの下落も視野に入れるべきでしょう。


上記シナリオ①(1、2)および②(1、2)を概括すると、米ドル/円における<アクティブレンジ>として、下値メド:BB・-2σライン、上値メド:BB・+2σラインのゾーンである「130.000~135.000円」を想定すべきと考えます。

他方、<ワイドレンジ>として、下値メド:年初来安値水準、上値メド:200日MAのゾーンである「127.000~137.220円」を想定するのも一案でしょう。

上記レンジアイデアについては、ご自身のリスク許容度や想定する投資スパンに基づいてご参考にしていただければ幸いです。


足もとでは、日本時間本日午後9時30分に発表される米3月雇用統計結果が米ドル/円の相場動意となりそうです。

なお、本日7日はイースター(復活祭)のグッドフライデー(聖金曜日)で、欧州やオセアニアなど多くの国で祝日。米国は祝日ではありませんが、株式市場は休場、債券市場は午前中だけの短縮取引です。市場参加者が極端に少なくなって相場変動が増幅される可能性があります。また、雇用統計が7日に十分に消化されず、週明け10日の東京市場でも大きな反応が見られる可能性もあります。

津田隆光
マネースクエア チーフマーケットアドバイザー
配信元: 達人の予想