豪ドル/円、押し目買いが奏功しそう

著者:津田隆光
投稿:2023/01/27 11:03

200日MAを突破するか否かがポイント!

豪ドル/円・日足・複合チャート
豪ドル/円・日足・複合チャート出所:マネースクエアFXチャート

【注目ポイント】「93.000円」を上抜け突破するか否か
【シナリオ①】同レートを上抜け突破なら、「95.000円」付近までの上昇も視野
【シナリオ②】同レートで上値抑制なら、「90.000円」付近までの下落も想定
【シーズナル・サイクル】(豪ドル/円も含めた)対円通貨:2月相場は上昇しやすい


足もとでは、テクニカル的な重要ラインである200日MA(移動平均線)に接近する動きとなっている豪ドル/円。

上図の各メルクマールを順に見てみると、1) 21日MAが右肩上がりであること、2) 遅行スパンがローソク足を上抜ける“好転”(上図黄色丸印)となっていること、3) ローソク足が赤色雲(=抵抗帯、先行スパン)の上方で推移していること、4) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の下方で点灯していること、そして5) DMI(方向性指数)で+DI>-DIとなり、同時にADXが右肩上がりになりつつある(上図赤色点線丸印)ことから、豪ドル/円・日足チャートは上昇トレンド序盤を示すチャート形状であると判断します。

その他メルクマールでは、ⅰ) ローソク足がBB(ボリンジャーバンド)・+1σラインと同・+2σラインの間を推移する“上昇バンドウォーク”となっていること、また、ⅱ) BB・±2σラインが拡張する“エクスパンション”となっていることを合わせると、今後の豪ドル/円は徐々に上値を切り上げる相場付きとなりそうです。


喫緊の注目ポイントは・・・上述した200日MAの基準値である「93.000円」(上図黄色矢印および黒色線)を上抜け突破するか否か。

筆者が予想する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)


[シナリオ①]
これからの時間にかけて「93.000円」を終値ベースで上抜け突破した場合は、「重要ライン超え」→「もう一段の上値切り上げ」となりそうです。当該ケースでは、「上昇バンドウォークの継続」や「BB・±2σラインの“エクスパンション”(拡張)進展」、また「+DI>-DIのさらなる乖離拡大」なども伴いながら、昨年11月8日以来の高値水準である「95.000円」(上図Ⓐ赤色線)付近までの上昇も視野に入れるべきでしょう。

[シナリオ②]
一方で、「93.000円」手前付近で上値を抑制された場合は、「上値抵抗圧力の増大」→「一旦の下押し」となりそうです。当該ケースでは、「上昇バンドウォーク崩れ」や「遅行スパンの“好転フェイク(ダマし)”」、また「+DI>-DIの乖離縮小」なども伴いながら、約1カ月間における市場参加者の平均コストを示す21日MA、および赤色雲の下辺である先行1スパンをメドとする「90.000円」(上図Ⓑ水色線)付近までの下落も想定すべきでしょう。


上記シナリオ①および②を概括し、同時に季節的な相場の傾向・パターンを示すシーズナル・サイクル(=「(豪ドル/円も含めた)対円通貨:2月相場は上昇しやすい」)に準拠すると、足もとの豪ドル/円は「押し目買い」ないしは「打診買い」が奏功しそうです。

津田隆光
マネースクエア チーフマーケットアドバイザー
配信元: 達人の予想