今週のドル円戦略と知っておきたいポイントとは?

著者:平野朋之
投稿:2019/11/18 12:02

レンジも想定に入れながらの売買

■先週は、注目されている米中通商協議の第一弾合意が難航していることや

香港情勢が悪化していることを受けて、108円台前半まで売り込まれる場面がありました。


■しかし、週末は協議が進展するとの期待感が米国側から発信されたことから108円台後半まで戻りました。



■今週は以下のポイントに注視したいと思います。

・20日(水)…FOMC議事要旨

・主要国の製造業購買担当者景気指数(PMI)

・米中通商交渉第一弾合意の行方

・香港情勢

まず、前回のFOMC会合で今年3回目の利下げを決定しています。

しかし同時に米中通商交渉が進展していること、英国の合意なき離脱の可能性が急低下したことを受けて、

フォワードガイダンスを修正し、年内の金利政策の据え置きの可能性を示唆しました。

前回会合で来年の金利見通しに関する意識がメンバー間ではどのようなものであったかが明らかになります。

しばらくの間据え置きが妥当というメンバーが
どの程度いるのかまた、その後の米中通商協議次第では次の一手があるのかという視点で注目したいです。



■次に、米中通商協議の第一弾合意までもう間近と言われながら、

世界的かつ相場的にも振り回されてきました。

正直、今回の第一弾合意も最終的に合意するまでは全く分からないのがこの米中問題です。

世界第一位と二位の国が貿易問題を起こすわけですから、

世界的に見ればリセッションに発展するといいたくなるのは分かります。

米国と中国の意識のズレがこれまでも指摘されてきましたが、これからも一段合意に限らず必ず出てきます。

それはやはり「覇権争い」がこの裏に隠されているからです。

いずれにしても最後まで分からないので、正直ポジションを一気に傾けるのは疑問が残るところです。





■最後にドル円の戦略です。

日足ベースでは、きれいな底値切り上げの上昇トレンドとなっています。

しかし、110円の大台を手前に失速するという展開です。

移動平均200日線を超えたかと思いきや再び下回るといった展開になっています。

この長期線が横ばいであることもしばらくレンジになる可能性も否めないところです。

過熱感を示すRSIでも9月18日の65.84を上回らない限りは(先週末:52.64)本格的に上昇トレンドかつ
次のステージに移行とはいいがたいと思います。

現状としては逆行現象になっていることも警戒したいです。



■また108円-109円のレンジでの動きも想定されます。109円を上回った段階でカウンターでの売り、

逆に108円を下回った段階で買いも想定・・・

いずれにしても米中通商交渉の進展次第といったところにはなります。

NYの株式指数はもうすでに織り込んでいるのか史上最高値ラッシュとなっています。

「陽の極」なのか?三万ドルを目指すのか。米中通商交渉次第といったところです。

また、日米通商協議も一旦小休止していますが、自動車に関する関税も先送りされていますが、

その分、米軍駐留経費負担を4倍要請してきていることも見逃せないです。

このあたりも新たな相場材料のカードとしては持っておきたいです。



次回も宜しくお願い致します。

平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想