見過ごされがちな通貨ペアに着目!

著者:比嘉洋
投稿:2019/11/06 12:14

●楽観ムード広がる

11月相場が始まりました。今年も早いもので2ヶ月を切りました。ただ、11月に入り、市場には変化が見え始めています。米中貿易問題にかかる懸念の大幅後退からリスクオンで、債券利回り・株価が大幅上昇。ご存知の通り、日経平均株価は連日の年初来高値更新、NYダウに至っては史上最高値を更新しています。この流れを受けて、ドル円も109円台乗せ、これまで上値抵抗線として見られていた200日移動平均線を上回る展開となっています。

米中問題については、部分合意に至ったわけではなく、米中首脳が署名するまでは手放しでのリスクオンフローへの相乗りは疑問手だと思うのですが…。この辺りが株式市場の上昇に比し、為替市場の上昇が鈍くなっている背景にあると考えています。債券利回りの上昇も、いずれ、株式市場にとってアゲンストとなりますし。とは言え、ドル円のレンジこれまでの106~109円から107~109.60(5/31の高値)に上方修正いたします。

●金利に目を向けると

カナダドル円(日足)と200日移動平均線
先週から各国の金融政策会合が開催されています。ご存知の通り、FRBは0.25%の利下げを決定、この結果、先進国で一番政策金利が高いのはカナダ(カナダは据え置きで1.75%)となりました。米ドルとカナダドルの力関係はこのところ拮抗していることもあり、ドル円の上昇はカナダ円にとっても追い風となっています。意外に見過ごされそうなカナダドル円ですが、金利面での優位性に着目し、ポートフォーリオに組み込んでも良いのではないでしょうか。チャート的にも200日移動平均線の上で推移していることもドル円よりしっかりしているように思います。
比嘉洋
マネースクエア シニアコンサルタント
配信元: 達人の予想