■目先押し目買い優勢も節目レベルの売りには注意が必要

著者:平野朋之
投稿:2018/09/25 11:56

ドル高を放置はない??


■先週のドル円は引き続き史上最高値更新となっているNYダウ株高を背景として、リスク選好の展開が継続しています。
対中制裁関税第三弾の表明し、それに対して中国も報復関税を表明しているものの、その関税の内容が緩和的な内容だったことで、直近高値(113.17円)を目指す展開となりました。

さて、今週は下期の相場を見る上で重要なイベントの週になります。

1:24日の第2回日米通商協議
2:25~26日のFOMC
3:26日の日米首脳会談

■特に警戒したいのは、日米通商協議です。
前回の会合ではお互いの意見が全く折り合わない状況で、単なる時間的スライドでしかないものでした。
その意味でも今回はどのあたりまで踏み込んだ話し合いになるのか・・?
対日貿易赤字が全く減少しない状況をトランプ大統領は見逃すわけも無く、自動車や農産物に対する関税だけに留まらない可能性があるのではないかとみています。

既に米中貿易問題は、制裁・報復関税合戦に突入しているものの、お互いの「妥協点」すら見いだせないまま泥沼化し始めています。
米国は中国に対して為替操作国に認定するほど強烈な批判を繰り返しています。

そんな中、先週末も話題として上がっているのが、中国の保有する「米国債」を売却するというとても過激なニュースまで飛び出し始めました。もし泥沼化が長期化するようであれば、大量売却も現実的にあるのではないかとみています。

そんな過激なニュースの狭間で、日本への要求はそれなりなものになる可能性もあります。
年間7兆円の赤字はもはや関税だけの問題でなく、特に自動車の輸出量規制を中心に行い、更に「円安是正」を要求してくるに違いないとみています。

以前にもトランプ大統領は弱いドルは貿易を行うのに有利であると発言しているだけに、このドル高を放置するはずがないとみています。

特に、今週のFOMCで追加利上げが決定的、更にペースまで加速させる可能性もあるだけに、今後の日米金利差は拡大する一方です。
となれば日銀の超緩和スタンスに対しても何らかのけん制が入ってもおかしくは無いくらいです。その意味では当時のような「プラザ合意」を思い出してしまいます。


■最後にドル円のテクニカルです。

最近のレンジの高値を上抜け、しっかりとアップトレンドを形成しているドル円です。やはり目先的には直近高値(113.17円)を意識するのは当然だと思います。

その意味では短期的には押し目買いをイメージしています。
もし、直近高値を抜けるようであれば一時的に、踏み上げてくる可能性が高いので、節目(113.50円や114.00円)に指値売りのカウンター狙いに切り替えたいです。

というのもやはり、これだけの不透明材料があるのと、NYダウも史上最高値を更新しているので、どこかの段階で大きく調整も入る可能性もあるので警戒したいレベルです。

今週はイベントや月末、半期の節目もあるので、過度なポジションととらないほうがいいのではないかとみています。
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想