ドルは売りをこなし堅調、ドルインデックスも昨年11月の水準に戻る

著者:平野朋之
投稿:2018/06/04 12:07

「貿易戦争」の扉が開かれる可能性も

■先週末は、月に一度の米国雇用統計のイベントでの結果が、年4回の利上げを思わせる内容となりました。

特に平均時給が予想を上回ったことが市場も好感しました。

更に、米朝会談も再決定されたことで、市場のムードは強気モードに傾き、ドル円相場も109円ミドルをつけ長い陽線で終了し、
今週を迎えるカタチとなっています。


■しかし、そんな明るい材料がある中、懸念されている「貿易戦争」の扉が開かれようとしています。

先週末から開催されていたG7でも米国を除く6カ国がこの不公平ともいえる輸入制限、そして一方的な措置による
負の連鎖が世界景気を下方修正しかねなく、各国ともトランプ大統領に伝える構えのようです。

また、一旦中断していた米中通商会談の行方も気がかりです。

農産物や天然ガスの輸入量をはじめ、ZTE(中興通訊)の制裁緩和と問題点が多くあり、今後何処まで歩み寄れるのかが焦点です。

いずれにしてもトランプ大統領が目指す「公正な貿易」は、世界の自由貿易との溝が大きくなることは確かです。

米国の赤字は世界各国が埋めるべきとの考えもあり、これが「米国第一主義」と感じるざるを得ない状況です。


■そんな貿易問題の狭間で舵取りをするFRBも追加利上げのタイミングと回数には悩まされそうです。

先週のカナダやメキシコからの鉄鋼及びアルミニウムに輸入関税をかけたことで少なからず雇用にも影響は
出ることは確かです。

つまり、今の完全雇用に近い状態もピークアウトする日は時期尚早であるとみています。

その意味では、今後のトランプ大統領の動向次第で、追加利上げのスピードも緩める可能性もありそうです。


■更に米ドルも強くなりつつあります。

ドルインデックスの日足をみても昨年11月以来の水準に戻っています。

チャートを見れば、トランプ大統領が就任してからしばらくダウントレンドが継続していました。

しかし、今では完全に上昇トレンドに転換しているのがわかります。

その意味でも、どこかのタイミングで為替に関しても「トランプ砲」が出そうです。


■最後にドル円です。

先週は調整が入ったものの移動平均50日線がサポートとなっています。

先週末、大陽線がついているので買い目線で基本的には考えてします。

抵抗が出そうなのが200日移動平均(6月1日現在:110.20円)をサイド上回れるかに注目したいです。


現在の相場状態は、リスクオンもリスクオフも取りづらい環境です。

トランプ劇場の狭間でポジションを取るのはやはりいつも以上にリスク管理が必要だと感じています。

その意味では、下値も移動平均50日線の位置を確認しておく必要もありそうです。
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想