111円定着だと今年の高値の113.39円がみえてくる

著者:平野朋之
投稿:2018/05/21 12:28

日足ベースでは買い目線も中期的には三角持合

■先週は、110円の大台を突破したことで、今年の高値1月8日の113.39円が意識される展開になりそうです。

特に、今週はFOMC議事録があり、来月のFRBの追加利上げはほぼ織り込み済みで、次回及び年内4回の利上げがあるのか・・・、
意見の分かれる場面ではあるものの、少なくても期待感は残っているようです。

現状は上昇トレンド継続とみていますが、潜在的にリスクオフの材料があることは忘れないで頂きたいと思います。

■その気になるリスクオフの材料とは・・・

第一に、イタリアの次期政権問題です。

中期的にはユーロ圏離脱に繋がる可能性もあり、ユーロ圏だけのリスクではなく、世界的にも成長が停滞する可能性があるのではないかとみています。
既にイタリア10年もの国債利回りは急上昇しております。ECBとしても今後引き締め政策に以降したいにもかかわらず、こういったイタリアのような状況を見れば、ゼロ金利解除を遅らさざるを得ないのも相場を重くさせる材料になっています。

これは、現状の単なるユーロ売りというわけでなく、中期的には世界的な規模でリスクオフに発展する恐れがあるとみています。


次に、米朝首脳会談の行方です。
北朝鮮が南北閣僚級会合を急遽中止したことを受けて、来月に予定されている米朝会談が実現及び米国が望む核廃棄が実現できるのかが未だに不安視されていると思います。

最後にエルサレム問題によって、中期的には中東不安が再燃、そして原油価格の高騰もあるとみています。既にニュースでも報道がありますが、抗議活動が活発化し、緊張が高まっておりリスクオフの材料にも繋がるのではないかとみています。

既にそのことを見越して投機ポジションは円買いに入る!?

こういったリスクオフの材料が潜在的にあることは、頭の片隅に起きたいところです。既に先回りして、シカゴIMM日本円の投機ポジションも再び、円買いポジションに入りました。(5月15日現在:3,680枚の買い越し)

■最後にドル円のテクニカル分析です。

先日からドル買いが優勢で展開しています。
そのドルインデックスの動きをみても明らかです。月間足ベースでみると、2017年
1月高値101.81から今年2月安値88.15に対するフィボナッチで見ると、

23.6%・・・・91.87(到達)
38.2%・・・・94.15

という状況になっています。直近は先週末現在で93.54と38.2%戻りに接近しています。そろそろ一服感が出やすい状況です。

では、ドル円は、冒頭にもお伝えしましたが、今年1月8日の高値113.39円が意識されると思いますが、月間足ベースで見ると、トレンドラインをサポートとレジスタンスそれぞれ引いてみてください。

レジスタンスラインの延長線上に112円辺りに抵抗がありそうです。

中期的には、三角持合にもみえます。日足ベースでは買い目線でいいと思いますが、中期的には持ち合いの中にいることも意識してトレードしたいと思います。
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想