“戻り売り”に徹してきた向きの巻き戻しは「始まったばかり」…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/09/19 11:33

◆やはり苦かったのは“買い方ではなく、売り方”…!

※ご注意:予想期間は9月20日と表示されていますが、本日(9月19日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


「北朝鮮、ミサイル発射」にて109円半ばへ値を落としたドル円でしたが、やはり苦かったのは“買い方ではなく、売り方”でした。

東京タイム午後以降はドル買い優勢となり、予想に届かなかった米小売売上高/鉱工業生産が発表されたNYタイムに入っても、こうした流れは変わりませんでした。
週明けとなった昨日には“111.66円水準”まで駆け上がるに至っています。

◆背景にあるのは“米利上げ観測の再燃”

キッカケは“売られ過ぎの巻き戻し”と見られますが、それ以降は“米利上げ観測の再燃”と考えるのが自然です。
「FOMCにて年内利上げが示唆される」との見方が台頭しており、金利先物から見た年内利上げ観測は“27%(8日)⇒61%(15日)”へと上昇しています。

◆そろそろ「高値警戒感の台頭」を気にしておかねばならない水準だが…!?

もちろん7月来の水準へとすでに戻していますので、そろそろ「高値警戒感の台頭」を気にしておかなければならない水準ではあります。
また“日足・一目均衡表先行スパン上限(本日は111.611円)-7/11~9/8の61.8%戻し(111.753)”には“ドル売りオーダー”がズラッと並んでおり、「一旦のポジション調整」に思いを馳せなければならないところでもあります。
それでも“戻り売り”に徹してきた向きの巻き戻しは「始まったばかり」であり、NYダウ高を好感した「日経平均の2万円乗せ⇒リスク選好の円売り」も期待される局面です。
FOMCがどのようになるのかは「結果を見るまでわかりません」が、それまでは「もう一段の巻き戻しが囃される…?」

前記したドル売りオーダーが上値を押さえ込んでいますが、「同ライン突破を窺いにかかる可能性は十分」と考えたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:112.414(7/20高値)
上値4:112.229(200日移動平均線、7/26高値)
上値3:112.000(大台、ピボット2ndレジスタンス)
上値2:111.753(7/11~9/8の61.8%戻し、7/27高値)
上値1:111.662(9/18高値、200週移動平均線)
前営業日終値:111.595
下値1:111.361(週足・一目均衡表先行スパン上限)
下値2:111.134(100日移動平均線、100週移動平均線、ピボット1stサポート)
下値3:110.988(9/18安値、大台)
下値4:110.855(9/15~9/18の38.2%押し、週足・一目均衡表基準線、20週移動平均線)
下値5:110.749(日足・一目均衡表先行スパン下限)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:50 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想