直近のドル売り要因は“いずれも織り込み済”…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/08/21 11:08

◆一時下値拡大も、押し戻される

※ご注意:予想期間は8月22日と表示されていますが、本日(8月21日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


“109.30-00円に展開するドル買いオーダー”を突破、一時108.602円まで下値を拡大したドル円でしたが、109円台に押し戻されました。
「バノン米首席戦略官辞任」との報をキッカケに、“ドル買い戻し”が促されたからです。
これに“往き過ぎたドルの巻き戻し”+“週末のポジション調整”が加わり、ドル円は約1円幅となる109.60円水準へ反発しました。
さすがにそれ以上の反発はなく、109円半ばでは上値の重さも目立ちましたが、とりあえず“下値追いは一服”といったところです。

◆ダブルトップは完成せず - 下値達成感が台頭しやすい…?

もちろん本日より“米韓合同軍事演習(~30日)”が行われますので、北朝鮮が挑発行動でも起こすようなことがあると、またぞろ燻り続けるリスク回避姿勢が台頭する可能性が否定できません。
このため“油断は禁物”といえますが、しかしながら先週末の動きにて「5/11高値-7/11高値を頂点とするダブルトップ」を完成させるべく来た動きは、“2度(8/11と8/18)割り込み”、そして“2度跳ね返された”格好となります。
これは「ネックライン(6/14安値)を割り込みはしたものの、ダブルトップは完成していない」と捉えることが可能な動きであり、“下値達成感が台頭しやすい”と考えることが可能です。
そうなると下値を模索する“仕掛け的動きにブレーキ”がかかりやすく、“ここからの下値追いは緩慢”となる可能性が期待されるところです。

◆直近のドル売り要因は“いずれも織り込み済”…!?

ドル売り要因が頻発した直近ではありますが、“米金利先高観の後退”“トランプ政権の不透明感”はすでにある程度織り込んだと見られます。
そうした中、今週最大の注目は“ジャクソンホール会合(24-26日)”、つまり“欧米金融政策の行方”ということになります。
“北朝鮮情勢(リスク回避)”が蒸し返されない限り、やはり「ここからの下値追いはオーバーシュート」と考えて臨みたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:110.260(20日移動平均線)
上値4:110.051(8/16~8/18の61.8%戻し、ピボット2ndレジスタンス、大台)
上値3:109.774(8/16~8/18の50%戻し、日足・一目均衡表転換線)
上値2:109.669(ピボット1stレジスタンス)
上値1:109.598(8/18高値)
前営業日終値:109.207
下値1:109.100(8/18安値後の50%押し)
下値2:108.982(8/18安値後の61.8%押し、大台)
下値3:108.778(週足・一目均衡表先行スパン下限)
下値4:108.602(8/18安値、ピボット1stサポート)
下値5:108.317(4/18-19安値)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:31 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想