外交・貿易面での強硬姿勢も

著者:菊川弘之
投稿:2017/07/14 13:00

CPI・オバマケア代替法案の行方が注目

 今晩の日テレ映画ロードShowは、「思い出のマーニー 」。「2週連続 夏はジブリ!」だ。

 先週の「借りぐらしのアリエッティ」放送日は、雇用統計を受けてドル買いとなったものの、一目均衡表の雲のねじれで頭打ちとなった。

 今週はイエレンFRB議長の議会証言を受けてドル売りとなったが、今晩は米6月消費者物価指数(CPI)が注目だ。インフレ期待が高まらない事が、米利上げ観測の後退の一因であり、CPIの数値次第では、ドル円もアップダウンがありそうだ。

 日本の3連休明けの19日には、米中包括経済対話も控える。米中貿易の不均衡是正を目指した「100日計画」の成果を話し合う予定だが、中国貿易統計によると、6月の対米黒字は254億ドル(約2兆8700億円)と前月の220億ドルから拡大し、2015年10月以来1年8カ月ぶりの高水準。 トランプ大統領は米中首脳会談直後、習近平国家主席に対して北朝鮮問題で協力すれば、中国は対米貿易でより良い条件を手にすると伝えたが、北朝鮮問題に解決の目処が立たない中、トランプ米政権の貿易赤字削減要求が強まる可能性がある。
 12日には米通商代表部(USTR)が、韓国との自由貿易協定(FTA)の再交渉に向け、8月に2国間での協議を求めると発表。米国製品の輸出拡大に向け韓国に追加の市場開放を促している。

 支持率低下、ロアシアゲート問題などを抱えるトランプ政権にとって、オバマケア代替法案が採決されるか否かが来週の焦点となりそうだ。早期採決ならドル買い・株高となりそうだが、8月の議会休会前に採決されないようだと、外交・貿易面での強硬姿勢の高まりからの円高が意識される可能性も想定しておきたい。


「この世には目に見えない魔法の輪がある」

「思い出のマーニー 」のキャッチフレーズだが、マクロ経済指標の好転からFRBが資産縮小・金利引き上げに向かおうと思っても、トランプ政権の保護貿易主義がドルの見えない上値の壁となるかもしれない。
菊川弘之
日産証券調査部 主席アナリスト
配信元: 達人の予想