“神経質かつ不安定な動き”は続くも、余地があるのは“上方向”…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/05/29 10:48

◆ポジション調整の円買い戻し優勢、ただし引けにかけて反発…

※ご注意:予想期間は5月30日と表示されていますが、本日(5月29日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


OPEC総会後の原油安を背景にした前日の動きが尾を引き、先週末はポジション調整の円買い戻しが優勢となりました。
英下院総選挙を巡る楽観論が警戒感に変わったことも、リスク回避の円買いを誘ったと見られるところです。
ドル円は111円を割り込み、110.872円まで一時下値を拡大しました。

東京タイム高値から考えると“実に1円弱”の下落を演じた格好といえますが、一方で米GDP改定値は上方修正(+0.7%⇒+1.2%)されました。
これを背景にNYタイムはドル買いが優勢となり、低下していた米10年国債利回りは反発、米S&P500/ナスダックが連日の史上最高値を更新する中、ドル円は111.300円へと押し戻されて先週末の取引を終えています。

◆レンジ内での揺れ動きが基本も、余地があるのは“上方向”…!?

トランプ大統領のロシア関与疑惑が懸念として残る中、本日は米(メモリアルデー)・英(スプリングバンクホリデー)が休場、となる中、中国も休み(端午節)となります。
東京・欧州・NYタイムと万遍なく流動性は低下すると見られる中、不意にリスク回避に傾斜する展開は懸念せざるを得ないところです。
ただし主だった米経済指標が明日以降に集中する中、先週末には一度下値を攻め、そして反発している状況です。

オーダー状況を見ると、“111.20-00円”にドル買いオーダーが膨らんでいる反面、ドル売りオーダーが展開するのは“111.60-80円”です。
双方が共に厚いことを考えると“同レンジ内での揺れ動き”が基本であり、“神経質かつ不安定な動きも続く”と考えるのが自然です。
ただし先週末終値の水準を考えると、より余地があるのは“下より上”…?
“戻り売りではなく、押し目買い”継続で臨みたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:112.113(5/24高値)
上値4:111.957(5/25高値、大台)
上値3:111.838(5/26高値、日足・一目均衡表先行スパン上限、ピボット1stレジスタンス)
上値2:111.639(5/24~5/26の61.8%戻し、日足・一目均衡表転換線)
上値1:111.493(5/24~5/26の50%戻し、5/26安値後の戻り高値)
前営業日終値:111.300
下値1:111.199(週足・一目均衡表先行スパン上限、50日移動平均線)
下値2:111.000(大台、5/18~5/24の61.8%押し水準)
下値3:110.859(5/23安値、5/26安値、ピボット1stサポート)
下値4:110.703(200週移動平均線)
下値5:110.513(4/17~5/11の61.8%押し水準)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:19 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想